「トム・ブラウン」お笑い界屈指の“ツッコミ不在”の漫才
昨年末の「M―1グランプリ」の決勝メンバーの顔ぶれを見ると、ある偏りがあることに気付く。実は10組中9組が、よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属の芸人なのだ。もともとよしもとは芸人の数が圧倒的に多いため、コンテストの決勝で多数派になるのは珍しいことではないのだが、ここまで偏ることはめったにない。
唯一の非よしもと芸人として脚光を浴びたのが、ケイダッシュステージ所属のトム・ブラウンである。
トム・ブラウンは、長髪の布川ひろきと坊主頭のみちおの2人組。もともとは高校の柔道部の先輩と後輩という関係だった。
布川は高校卒業後、札幌よしもとに入って芸人になった。一方のみちおはスノーボーダーを目指して専門学校に進んだ。布川はピン芸人として地元のローカル番組にも出演していた。この時期には、仕事で東京や大阪から札幌に来ていた芸人たちに歓楽街の案内をしたりしていた。
一方のみちおはスノーボーダーの世界のレベルの高さを思い知り、挫折。布川に誘われてコンビを組むことになった。