<2>気を使うにも「しなさ過ぎるのは論外だがし過ぎるのもダメ」

公開日: 更新日:

「談之助兄さんが言う通り、すんなり入門できました。最初に言われたのが、『俺と生理的に合わなかったら、おたがいに不幸だからやめたほうがいい』ということ。それは師匠の生理に自分が合わせることだと理解しました。師匠は私の生理に合わせてくれませんから(笑い)」

 私が知る談志は親切な人である。「親切だけが人を説得する」との名言を残している。弟子にも、前座としてなすべきこと、覚えるべきことなどを事細かに教えた。

「半年は見習いです。落語家としての適性を見極めるテスト期間でしょう。それを経て、談吉という前座名を付けてもらいました。寄席での必須科目、太鼓のたたき方は兄弟子や先輩に教わればいいのに、師匠が教えてくれた。噺の稽古も実に丁寧で、途中で止めて噺の解説をしたりする。なんやかんやで20席以上も稽古をつけてもらってます」

 そんなに噺を教わった弟子は他にいない。

「私の後、しばらく弟子が入ってこなかったこともあります。その分、師匠のお付きは私だけでした。師匠は『程の良さ』を大事にする人なので、気を使うにも過剰になっちゃいけない。『しなさ過ぎるのは論外だが、し過ぎるのもダメ』と言ってました。無駄な動きが多いわりに、必要な時に気を使わない前座がよくいます。それでは談志のお付きは務まりません。私はどんなことにも、程の良さを心掛けて接してました」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    朝ドラ「あんぱん」教官役の瀧内公美には脱ぎまくった過去…今クールドラマ出演者たちのプチ情報

  2. 2

    松本潤、櫻井翔、相葉雅紀が7月期ドラマに揃って登場「嵐」解散ライブの勢い借りて視聴率上積みへ

  3. 3

    中井貴一の“困り芸”は匠の技だが…「続・続・最後から二番目の恋」ファンが唱える《微妙な違和感》の正体

  4. 4

    永野芽郁&田中圭の“不倫LINE”はどこから流出したか? サイバーセキュリティーの専門家が分析

  5. 5

    低迷する「べらぼう」は大河歴代ワースト圏内…日曜劇場「キャスター」失速でも数字が伸びないワケ

  1. 6

    河合優実「あんぱん」でも“主役食い”!《リアル北島マヤ》《令和の山口百恵》が朝ドラヒロインになる日

  2. 7

    キンプリが「ディズニー公認の王子様」に大抜擢…分裂後も好調の理由は“完璧なシロ”だから 

  3. 8

    遠山景織子 元光GENJI山本淳一との入籍・出産騒動と破局

  4. 9

    TBSのGP帯連ドラ「キャスター」永野芽郁と「イグナイト」三山凌輝に“同時スキャンダル”の余波

  5. 10

    永野芽郁&田中圭「終わりなき不倫騒動」で小栗旬社長の限界も露呈…自ら女性スキャンダルの過去

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人のW懸案「ポスト岡本和真&坂本勇人」を一気に解決する2つの原石 ともにパワーは超メジャー級

  2. 2

    反撃の中居正広氏に「まずやるべきこと」を指摘し共感呼ぶ…発信者の鈴木エイト氏に聞いた

  3. 3

    松本潤、櫻井翔、相葉雅紀が7月期ドラマに揃って登場「嵐」解散ライブの勢い借りて視聴率上積みへ

  4. 4

    遠山景織子 元光GENJI山本淳一との入籍・出産騒動と破局

  5. 5

    永野芽郁&田中圭の“不倫LINE”はどこから流出したか? サイバーセキュリティーの専門家が分析

  1. 6

    だから高市早苗は嫌われる…石破自民に「減税しないのはアホ」と皮肉批判で“後ろから撃つ女”の本領発揮

  2. 7

    中居正広氏vsフジテレビは法廷闘争で当事者が対峙の可能性も…紀藤正樹弁護士に聞いた

  3. 8

    ユニクロ女子陸上競技部の要職に就任 青学大・原晋監督が日刊ゲンダイに語った「野望」

  4. 9

    吉岡里帆&小芝風花の電撃移籍で様変わりした芸能プロ事情…若手女優を引きつける“お金”以外の魅力

  5. 10

    佐々木朗希が患う「インピンジメント症候群」とは? 専門家は手術の可能性にまで言及