著者のコラム一覧
原田曜平マーケティングアナリスト・信州大学特任教授

1977年、東京都生まれ。マーケティングアナリスト。慶大商学部卒業後、博報堂入社。博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーなどを経て、独立。2003年度JAAA広告賞・新人部門賞受賞。「マイルドヤンキー」「さとり世代」「女子力男子」など若者消費を象徴するキーワードを広めた若者研究の第一人者。「若者わからん!」「Z世代」など著書多数。20年12月から信州大特任教授。

明和電機に訊く(後編)AIの進化でアーティストは追い込まれているけど「よっしゃ、キター!」という感じ

公開日: 更新日:

人間と機械の違いは

明和 そうなんです。考えてみれば、人間が文字を記録し始めた頃からAIの“ご飯”は作り続けていたんですよね。人間の知の蓄積を学習すると、人間の知を再現できるんだということを知らしめた。だから、結構なアーティストの人たちが「ヤベェ」と思っているんじゃないかなと。AIの発達によって人間のいろいろな職種が奪われるという話にもなっていますが、アーティストにとってもそうです。

原田 どういうことでしょう。

明和 同じことが写真が発明されたときにも起こったんです。写実画家はどんどん仕事を奪われた。だから、みんな抽象の世界に逃げて行った。シュールレアリスムというムーブメントが起きたときに、人間が夢を見ていたり、空想のなかのおかしな風景を描くということで、これは写真にはできないだろうと安心したハズなのに、それだってAIの進化でできるようになってきた。アーティストはどんどん追い込まれ始めています。

原田 たしかに。

明和 ただ、僕は性格がドMなので「よっしゃ、キター!」という感じなんですよ(笑)。この苦境で新しく何をしようかというのを考えられるようになりましたね。

原田 たくましいですね(笑)

明和 AIの利点として、人間の知の記録をすべて食べて分析してくれるので、今までの人類が手にしていない道具なんですよ。僕は今56歳で、30年間作り続けてきた約200点の作品をすべて自分で持っているんです。あとA4サイズのスケッチブックにイラストや設計図などを描くのですが、それも2万枚ほど全部保存してあります。これをAIに全部食わせるとどうなるのか、何が起きるのかが楽しみです。

原田 面白いですね! AIがどんなものを生み出すのか、どんな化学変化が起きるのか僕も楽しみです。本日はすごく刺激を受けました。ありがとうございました。

(構成=高田晶子)

▽明和電機(めいわでんき) 土佐信道プロデュースによる芸術ユニット。青い作業服を着用し、作品を「製品」、ライブを「製品デモンストレーション」と呼ぶなど、日本の高度経済成長を支えた中小企業のスタイルでさまざまなナンセンスマシーンを開発し、ライブや展覧会など国内のみならず広く海外でも発表。音符の形の電子楽器「オタマトーン」などの商品開発も行う。現在、北海道・札幌芸術の森美術館で「明和電機ナンセンスマシーン展in札幌」が開催中(3月3日まで)。

▽原田曜平(はらだ・ようへい) 1977年、東京都出身。マーケティングアナリスト。慶大商学部卒業後、博報堂入社。博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーなどを経て、独立。著書に「Z世代」「シン世代マーケティング」「超バズテク図鑑」など。芝浦工業大学教授。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  2. 2

    陰謀論もここまで? 美智子上皇后様をめぐりXで怪しい主張相次ぐ

  3. 3

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  4. 4

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  5. 5

    長嶋一茂は“バカ息子落書き騒動”を自虐ネタに解禁も…江角マキコはいま何を? 第一線復帰は?

  1. 6

    嵐ラストで「500億円ボロ儲け」でも“びた一文払われない”性被害者も…藤島ジュリー景子氏に問われる責任問題

  2. 7

    27年度前期朝ドラ「巡るスワン」ヒロインに森田望智 役作りで腋毛を生やし…体当たりの演技の評判と恋の噂

  3. 8

    "お騒がせ元女優"江角マキコさんが長女とTikTokに登場 20歳のタイミングは芸能界デビューの布石か

  4. 9

    独立に成功した「新しい地図」3人を待つ課題…“事務所を出ない”理由を明かした木村拓哉の選択

  5. 10

    Snow Manの強みは抜群のスタイルと、それでも“高みを目指す”チャレンジ精神

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦は大関昇進も“課題”クリアできず…「手で受けるだけ」の立ち合いに厳しい指摘

  2. 2

    「立花一派」の一網打尽が司法の意志…広がる捜査の手に内部情報漏した兵庫県議2人も戦々恐々

  3. 3

    「コンプラ違反」で一発退場のTOKIO国分太一…ゾロゾロと出てくる“素行の悪さ”

  4. 4

    「ロイヤルファミリー」視聴率回復は《目黒蓮効果》説に異論も…ハリウッドデビューする“めめ”に足りないもの

  5. 5

    国分太一は人権救済求め「窮状」を訴えるが…5億円自宅に土地、推定年収2億円超の“勝ち組セレブ”ぶりも明らかに

  1. 6

    マエケン楽天入り最有力…“本命”だった巨人はフラれて万々歳? OB投手も「獲得失敗がプラスになる」

  2. 7

    今の渋野日向子にはゴルフを遮断し、クラブを持たない休息が必要です

  3. 8

    元プロ野球投手の一場靖弘さん 裏金問題ドン底を経ての今

  4. 9

    米中が手を組み日本は「蚊帳の外」…切れ始めた「高市女性初首相」の賞味期限

  5. 10

    マエケンは「田中将大を反面教師に」…巨人とヤクルトを蹴って楽天入りの深層