【がん患者への食事】東京医科大学病院 栄養管理科(新宿)

公開日: 更新日:

■食が細ると患者は不安になる

 がん闘病中の栄養指導は、体力維持と同時に治療効果を高めるため、重要になることもある。

 甲状腺がんでは、全摘後に残った甲状腺組織の再発を減らすため、治療用放射性ヨウ素の入ったカプセルを服用する「アブレーション」という治療を行う場合がある。その準備として、治療の2週間前からヨウ素を含む食品を制限する必要があるのだ。

 同科は放射線科(核医学)と連携して、そのアブレーション治療を受ける患者の栄養指導を徹底して行っている、全国でも数少ない施設だ。

「甲状腺がんの栄養指導はこれからの分野で、通常は海藻類などヨウ素を多く含む食品を挙げて、食べないように指導している程度です。しかし、当科はあらゆる食品を調べて、通常1日に100~300マイクログラム摂取している量を計算して、100マイクログラム以下まで減らすように指導しています」

 ここまで徹底するのは、外食やコンビニ食を中心に、多くの食品に「増粘剤」や「昆布ダシ」などの形でヨウ素成分が使われているからだという。魚も海藻をエサにするので、肉類の方がヨウ素は少ない。同科ではトンカツ、しゃぶしゃぶ、鶏空揚げなど、誰もが好きそうなメニューの調理法や調味料のレシピを教えてくれる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    清原和博氏が巨人主催イベントに出演決定も…盟友・桑田真澄は球団と冷戦突入で「KK復活」は幻に

  2. 2

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  3. 3

    99年シーズン途中で極度の不振…典型的ゴマすりコーチとの闘争

  4. 4

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  5. 5

    日銀を脅し、税調を仕切り…タガが外れた経済対策21兆円は「ただのバラマキ」

  1. 6

    巨人今オフ大補強の本命はソフトB有原航平 オーナー「先発、外野手、クリーンアップ打てる外野手」発言の裏で虎視眈々

  2. 7

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 8

    林芳正総務相「政治とカネ」問題で狭まる包囲網…地方議員複数が名前出しコメントの大ダメージ

  4. 9

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  5. 10

    角界が懸念する史上初の「大関ゼロ危機」…安青錦の昇進にはかえって追い風に?