高齢者の正しいクスリとの付き合い方
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前立腺肥大症には「髪の毛が増える」副作用があるタイプも
「前立腺肥大症」に用いられるクスリには大きく分けて3種類あります。今回はまず「ホスホジエステラーゼ5阻害薬」を取り上げます。 体内には一酸化窒素が存在し、前立腺や尿道の筋肉(平滑筋)を弛緩させ…
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高齢男性に多い排尿の悩み…前立腺肥大症に使われるクスリ
高齢になると、排尿に関する悩みを抱える人が多いです。今回は、その中でも特に男性の排尿障害の原因のひとつである「前立腺肥大症」とその治療に用いられるクスリについてお話しします。 前立腺は男性の…
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医療で重宝される「生食」には使いにくいケースもある
みなさんは、「生食(せいしょく)」という言葉を聞かれたことがありますか? 正式には「生理食塩液」といい、0.9%塩化ナトリウム水溶液のことを意味します。要は塩水のことなんですが、これが医療では特に点…
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「オピオイド」は死期が近いケースで使われる…は大きな誤解
「麻薬」と聞くと、なんとなく悪いもののようなイメージがありますよね? 世界保健機関(WHO)は麻薬を「昏迷・昏睡、痛みに対する無感覚を誘発する化学物質」と定義しており、医療で用いられる麻薬は主に鎮痛作…
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薬は飲んでから全身に広がる前に「初回通過効果」を受ける
高齢者に限らず、ほとんどの人が一度はクスリ(今回は内服薬を意味します)を服用したことがあるでしょう。では、服用した後にクスリがどんなふうに体中に広がっていくかをご存じでしょうか? 今回は、普段クスリ…
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“治療”も気から…「プラセボ」は悪いわけではない
みなさんは「プラセボ」という言葉をご存じでしょうか? 日本語だと「偽薬」と訳されることがほとんどで、具体的には有効成分が入っていないクスリのことを意味しています。 なぜそんなものが存在してい…
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「医薬品副作用被害救済制度」の対象はクスリを正しく使っている場合に限られる
当連載で以前にもお伝えしましたが、あくまでクスリは体にとって「異物」であり、病気の人はその異物のチカラを使って体の調子を整えています。そして異物である以上、どんな副作用がどんなタイミングで、どんな症…
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湿布を貼ったあとは「紫外線」を浴びないように注意する
打撲、関節痛、腰痛などに用いられる「湿布」は、ドラッグストアなどでも市販されていることもあって、比較的身近なクスリです。高齢になると関節痛や腰痛に悩む人が多く、ほとんどの方が一度は使ったことがあるの…
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点滴が血管の外に漏れ出すと重篤な合併症を起こす危険がある
今年の夏も日本全国で猛暑が続いていますが、体調を崩されたりしていないでしょうか? こまめに水分、塩分を取って熱中症にならないように気をつけてください。 さて、熱中症もそうなのですが、治療のた…
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過去とはまったく逆の使われ方をしている治療薬がある
「心不全」は、心臓が肥大することでなめらかな動きができなくなる病態で、血液を押し出すポンプとしての機能が低下します。この心不全の治療には、過去と今で効き方が百八十度違うクスリが用いられています。いった…
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その咳は「咳止め薬」で止めることができるのか…判断が重要
風邪などで咳(せき)が出るときに処方される咳止めは、正式には「鎮咳(ちんがい)薬」というクスリです。高齢者のほとんどの方が一度は服用したことがあるクスリではないでしょうか。今回は身近なクスリのはずな…
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ビタミンB12が不足すると「貧血」を起こすリスクがある
前回は鉄欠乏性貧血についてお話ししました。今回はそれとは別の貧血「巨赤芽球性貧血」を取り上げます。 高齢者の中には胃がんなどで胃全摘手術を受け、胃がないという方がいらっしゃるかもしれません。…
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貧血に使われる「鉄剤」は副作用を防ぐために多めの水で服用
貧血の中で最も一般的なのが「鉄欠乏性貧血」です。その名の通り、体の中の鉄が少なくなることで貧血になる疾患です。治療には「鉄剤」と呼ばれるクスリが用いられ、高齢者はもちろん特に女性で使われている方もい…
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AGA治療薬は高い効果が期待できる一方、深刻な副作用リスクも
近年、テレビのCMなどで「AGA」という言葉をよく聞くようになりました。AGAとは「Androgenetic Alopecia」の略語で、日本語にすると「男性型脱毛症」です。 男性ホルモンと…
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手術を受ける時に注意すべき「サプリメント」がある
以前、血をサラサラにするクスリを取り上げた回で「手術前には休薬が必要になる」というお話をしました。今回は、手術を受ける際にクスリと同じく「中止したほうがいいサプリメント」について説明します。ただ、個…
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「痛み止め」と「胃薬」がセットで処方されるのはなぜか
たくさんの種類がある痛み止めの中に、「非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)」と呼ばれるクスリがあります。成分名でいうとロキソプロフェンやジクロフェナク、セレコキシブなどが挙げられます。 …
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「EBM=根拠に基づいた医療」によりクスリの使い方も標準化された
「EBM」とは、Evidence Based Medicine(エビデンス・ベースド・メディシン)の頭文字をとったもので、日本語にすると「根拠(証拠)に基づいた医療」となります。 かつての医療…
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改めて「クスリ」とはなにかを考える…漢字の意味は?
記念すべき(?)第100回ということで、「そもそもクスリとは何なのか?」について少し考えてみたいと思います。 クスリを漢字で書くと「薬」で、「くさかんむり」と「らく」が組み合わされたものです…
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「抗凝固薬」を使っている人は納豆やアロエを摂取できない
ある場所でできた二次血栓が移動して他の場所の血管を塞いでしまう病気を塞栓症といい、代表的なものが「肺塞栓」と「脳塞栓」になります。いずれも命に関わる重篤な病気なので、いかに予防するかが重要で、「抗凝…
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「抗凝固薬」は二次血栓をできにくくするために使われる
血をサラサラにするクスリには「抗凝固薬」もあります。「抗血小板薬となにが違うの?」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、これらはまったく別のクスリです。 血の塊のことを血栓と呼び、血栓は一次…