クスリ社会を正しく暮らす
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セルフメディケーション税制はスイッチOTC以外の市販薬も対象になる
前回、医療用医薬品から市販薬(OTC医薬品)に転用(スイッチ)したもののことを、「スイッチOTC医薬品」と呼んでいるとお話ししました。スイッチOTC医薬品は、風邪薬や胃腸薬、鼻炎用内服薬、水虫・たむ…
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「スイッチOTC医薬品」は薬剤師による服薬サポートが大切
昨年12月20日、厚生労働省は、薬事審議会「要指導・一般用医薬品部会」を開き、胃酸の分泌を抑制する成分であるPPI(プロトンポンプ阻害薬)3成分の要指導医薬品への指定を承認した──といったニュースが…
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「針刺し事故」を起こさないために患者側も注意が必要
先日、糖尿病の治療でインスリンの自己注射をされている患者さんに「注射針の廃棄」について質問されました。インスリンの注射針は多くの場合、調剤された病院や保険薬局で回収しています。ですので、廃棄の際には…
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HPVワクチンの無料接種期間が1年延長される対象者の条件は?
ヒトパピローマウイルス(HPV)の予防接種を公費(無料)で受けられる「キャッチアップ接種」について、2026(令和8)年3月まで1年間の延長が決定しました。ただし、25年3月末までに最低1回の接種を…
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中国で流行中のヒトメタニューモウイルス感染症…治療薬がなく感染対策が重要
WHO(世界保健機関)は1月7日、北半球での呼吸器系の感染症の流行に関する報告を公表し、熱や咳などの症状が出る「ヒトメタニューモウイルス感染症」について、「中国の発表データでは、ここ数週間の間に急性…
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ジェネリックのさらなる拡大で名称が似通った薬が増えてくる
2024年10月から長期収載品の選定療養制度が始まりました。これは、「広く使われているジェネリック医薬品があるにもかかわらず、先発医薬品を希望する場合、その差額の4分の1は患者さんご自身でお支払いく…
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「リンゴ病」が急速に流行中…治療薬はなく妊婦はとりわけ注意
2019年を最後に流行が確認されていなかった「伝染性紅斑」が急増しています。伝染性紅斑は小児を中心に見られるヒトパルボウイルスB19による流行性の感染症です。両頬がリンゴのように赤くなることから「リ…
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推奨されている「Access抗菌薬」ってなんだ? 日本の使用比率は23%
本年度の診療報酬改定において、外来使用抗菌薬のうち「Access抗菌薬」を多く使っている医療機関は評価され、報酬が少し加算されることになりました。さて、Access抗菌薬とはいったいなんでしょうか?…
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感染症が流行中も…不必要な抗菌薬は薬剤耐性菌の発生を助長する
寒い季節となり、呼吸器の感染症が広がってきています。インフルエンザ、新型コロナ感染症に加え、今年はマイコプラズマ感染症も流行しています。 一方では、多くの感染症に用いるペニシリン系やセフェム…
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割ってはいけない薬が粉砕されているケースも…薬剤師にも責任がある
先日、とある学会で「粉砕不可の徐放錠を半分に割った時にどのように溶けるかを調べた」という発表がありました。徐放錠とは、薬の成分がゆっくり溶け出し、効果が長く続くように加工された錠剤のことです。 …
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薬をお湯に溶かしてから服用する「簡易懸濁法」の注意点
前回、医薬品の粉砕にはさまざまな問題が生じるとお話ししました。その解決策のひとつが「簡易懸濁法」です。錠剤やカプセルを粉砕せずに投与時にそのままお湯に入れて崩壊、懸濁を待って投与する方法です。 …
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薬を粉砕して服用すると思わぬトラブルが生じる危険がある
われわれ病院勤務の薬剤師は、患者さんが入院されるときには必ず薬のチェックを行っています。その際、粉砕してはいけない薬を粉砕されているケースを見かけることがあります。 内服薬は、体の中で溶解し…
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「酸化マグネシウム」を含む下剤を牛乳で飲んではいけない理由
「酸化マグネシウム」は、腸の蠕動(ぜんどう)運動を促進する下剤ではなく、腸管内に水分を集めることで効果を発揮するため、腹痛などの副作用が少ないのが特徴です。酸化マグネシウムを含む下剤は医療用医薬品だけ…
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「緊急避妊薬」を処方箋なしで購入できる取り組みが進んでいる
今年6月、「緊急避妊薬の試験販売 協力薬局を約200軒追加」というニュースが報じられ、話題になりました。じつは昨年11月から全国145薬局で緊急避妊薬の試験販売が実施されています。 望まない…
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腎機能の低下によって思わぬ副作用が現れるケースがある
以前、サプリメントによる「腎機能障害」を取り上げました。腎臓は血液を濾過して老廃物や余分な塩分を尿として体の外へ排出します。多くの医薬品も腎臓から体の外へ排出されています。また、腎臓は体に必要なもの…
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針を刺さない新たなインフルエンザワクチンの使用がスタート
以前、新型コロナワクチンについてお話ししましたが、「インフルエンザワクチン」についても大きなトピックがあります。 昨年3月に製造販売承認され、今シーズンから本格的に使用される「フルミスト点鼻…
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紅麹サプリ被害で報告されたファンコーニ症候群は早期発見が重要
小林製薬の「紅麹の成分を含むサプリメント」を摂取した人が健康被害を訴えた問題で、厚生労働省は「青カビが混入して作られたとみられる『プベルル酸』が原因物質だとほぼ確定した」とする調査結果を公表しました…
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薬剤師は“お薬を渡しておしまい”ではない…学会に参加して感じた
去る9月22、23の2日間、第57回日本薬剤師会学術大会が「彩」をメインテーマとして、さいたま市の大宮ソニックシティ、さいたまスーパーアリーナ、パレスホテル大宮で開催されました。「彩の国埼玉県で行わ…
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新型コロナワクチンで指摘される“懸念”には科学的証拠が不足している
10月から高齢者などを対象にした新型コロナワクチンの定期接種が始まりました。現在、使用可能なワクチンは、米モデルナの「スパイクバックス筋注」、米ファイザーと独ビオンテックの「コミナティ筋注」、武田薬…
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新型コロナワクチンの定期接種がスタート…自己負担の費用はどうなる?
10月1日から自治体による新型コロナワクチンの定期接種が始まります。定期接種の対象者は、65歳以上の高齢者や重い基礎疾患を持つ60~64歳の人になります。接種費用の一部は国が市町村に助成し、自己負担…