伊豆だけじゃない 全国の“半島”で続く揺れは大地震の兆候
茨城、千葉に続き、伊豆半島も揺れている。24日未明から、伊豆大島近海と伊豆半島東方沖を震源とする地震が相次ぎ、25日午前5時半までに震度1以上の有感地震が16回もあった。だが気象庁等のデータを見れば、全国の“半島”が揺れている。
「規模は小さいですが、22日には高知の室戸岬、千葉の犬吠埼などの半島に地震が集中しました。岬の先端はフィリピン海プレートに押され、日々地盤沈下しています。それが大地震前になると、小さな地震を繰り返し、徐々に隆起していく。各地で大地震の兆候が見え始めているわけです」(立命館大環太平洋文明研究センター・歴史都市防災研究所教授の高橋学氏)
室戸岬、紀伊半島、犬吠埼、そして伊豆半島は“南海トラフ”の大地震に影響を及ぼす地域にある。海溝型の大地震の前には、関連する内陸直下型の地震が起きる。
例えば、今年4月の熊本地震がそれだと、高橋氏はみている。
「東日本大震災の約3年前、08年6月に岩手・宮城内陸地震が起きました。同じように南海トラフ地震の発生には、熊本地震が関係していると考えます。現にこの地震の前後から、室戸岬、紀伊半島、薩摩半島、大隅半島の活動が活発化しています。さらに、愛知県の豊橋市、静岡県の浜松市で内陸地震が増えてきました。熊本地震を起こした中央構造線の並びで、糸魚川静岡構造線上の長野北部、新潟上越地方も揺れています。長くても5年以内には、南海トラフの大地震が起こる可能性があります」