データが語る「次の巨大地震」 3人の専門家が読み解く
熊本地震は直前に“予兆”があった。今年1月以降、「熊本県熊本地方」の震度1以上の地震は9回起きていたのだ。ほかにも九州地方では、鹿児島県十島村に属する「トカラ列島近海」を震源とする地震が43回発生している。そこで本紙は、過去3年の気象庁震度データベースから最大震度4以上の地震をピックアップ(16年は熊本地震の前日、4月13日まで)。これをどう見るか、専門筋に聞いた。
まず目に付くのは、「宮城県沖」や「福島県沖」、先日も震度5弱を記録した「茨城県北部」や「茨城県南部」のほか、「三重県南東沖」や「日向灘」などの南海トラフに関連する地方が揺れていることだ。
「九州の一連の大地震は南海トラフとも関連があります。1995年の阪神淡路から始まり、00年の鳥取県西部、05年の福岡県西方沖、そして今回の地震です。熊本地震の前、昨年11月14日に薩摩半島西方沖地震(M7.0)が発生し、2月に入ると地震の発生率が増加しました。予兆はあったのです。まだ揺れが少ない天草地方は警戒が必要でしょう」(元東京大学地震研究所准教授の佃為成氏)