低学年で子供を“算数嫌い”にさせない!「SAPIXだから知っている」著者に聞く「高学年につながる学び」
「算数が苦手」な子供の様子を見て不安が尽きない親が多いようだ。図書館で“我が子の算数を得意に”をテーマにした本やムックを借りようとしたら数百人待ちで、とりあえず予約したまま忘れていたら2年後にようやく本が届いたものの、その頃には我が子が正真正銘の「算数嫌い」になってた…なんて笑えない話も聞く。「子供の算数」に悩む親がそれほど多いということだろう。
そんな中、『10万人以上を指導した中学受験塾 SAPIXだから知っている算数のできる子が家でやっていること』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)が11月22日に発売された。
著者は2023年2月発売の『10万人以上を指導した中学受験塾SAPIXだから知っている 頭のいい子が家でやっていること』(同)が6万部突破の大ヒットとなった教育ライターの佐藤智氏。本書の執筆にあたり、SAPIX小学部で算数を担当する溝端宏光氏と小林暢太郎氏に取材を重ねたという。
「取材をして、算数が得意な子の特徴は6つあることが分かりました。『観察力が鋭い』『頭の中で処理できることが多い』『人の話をきちんと聞ける』『問題意識を持つ』『コツコツ努力ができる』『自分なりの考え方を大事にする』となります。これらの特徴を、算数と初めて接する未就学児や低学年のうちから育んでいければ、『深い理解』の下地につながっていくはずです」
■1日10分程度の“ちょこっと学習”を習慣化
算数は「思考」と「習得」の両方が大事になる教科だ。例えば、「思考」を耕すには子供の興味関心を尊重する、「習得」には1日10分程度の計算問題を解く“ちょこっと学習”を習慣化するなどのポイントがいくつかあるという。そして、何より大切なのが、子供を「算数嫌い」にさせず、「算数っておもしろいかも」と思いながら学び続けるようにしていくことだという。
「苦手意識が強くなりすぎると、その抵抗感を取りのぞくことは大変です。『苦手だから』と思考停止になって、真剣に問題と向き合わなくなるのは避けたいものですよね。逆に抵抗感なく、“難しいけれど何とか解きたい”という前向きな姿勢があれば、本当になんとかなる場合が多いこともSAPIXの先生への取材で分かりました。だから、算数との出会いを大事にしてほしいのです。算数は“積み上げ教科”と言われますが、体系立って知識を積み上げる教科だからこそ、算数のプロである先生なら、どこでつまずいているかわかりやすいともいえます。それが分かったときに、子供が前向きな姿勢で原因と向き合えることが大切です」