「法律のプロ」を自称…趣味の本人訴訟で「反社会的カルト」のお墨付き
政治団体「NHKから国民を守る党」(N国党)の党首・立花孝志は、「法律のプロ」を自称する。大学の法学部に通ったこともなければ、司法試験を受けたこともないが、本人訴訟が趣味。2、3日に1回は何かしらの提訴をしている。
訴額はいつも160万円なので、立花の出費は収入印紙代などを合わせても2万円前後。一方、訴えられた側が弁護士を代理人に立てようとすれば、どんなに安くても50万円くらいは要してしまう。あまりにアンフェアなので、大半は裁判を回避するために投稿を削除したり、立花に言及しなくなる。
ところが、筆者のように批判記事を書き続けると、事あるごとに裁判を仕掛けられる。「ちだい君を破産させる」と宣言され、2018年6月にスラップ訴訟を起こされた。以来、その数は10件にのぼる。それぞれ勝訴するたび控訴してくるため、千葉・館山で家を買えるくらいの裁判費用がかかっている。
■「反社会的カルト集団」表現は名誉毀損だと訴えるも
昨年は「反社会的カルト集団」という表現は名誉毀損だとして、N国党を通じて訴えられた。東京地裁が11月に下した判決は、立花らの損害賠償請求の棄却。敗訴だ。N国党の数々の犯罪行為や不法行為をめぐり、筆者が答弁書とともに提出した証拠18件のうち17件が「真実」だと認められた。この裁判では「サリンを撒かないオウム真理教のようなもの」という表現についても合わせて審理されたが、論評の域を逸脱していないと結論づけられた。