激戦区神奈川を制した 東海大相模「超外人部隊」のカラクリ
球速140キロを超える4人を揃える驚異の投手力で、東海大相模が最激戦区の神奈川を制した。前日の準決勝で横浜の3季連続甲子園を阻止した勢いそのままに、30日の決勝は向上に13―0で圧勝。4年ぶり9度目の出場を決めた。
先発した背番号11の吉田凌(2年)が九回2死まで投げ、3安打無失点。大会タイ記録の20奪三振の快投を見せた。
張り巡らされた全国のスカウト網のたまものだ。今大会、東海大の系列校は同校のほか、東海大四(南北海道)、東海大甲府(山梨)、東海大望洋(千葉)と、史上最多の4校が出場。全国の系列校で硬式野球部があるのは北は北海道から南は熊本までの13校。その中の「総本山」が東海大相模なのだ。
今年5月に78歳で他界した東海大相模の元監督で、巨人の原監督の父でもある原貢氏は、亡くなるまで東海大系列校の総監督としてアマチュア野球界に君臨していた。さる球界関係者がこう言う。
「原貢さんの意向で、全国の東海大グループが協力して『東海大相模を強くする運動』を継続している。系列校はOBが中学生を勧誘することが多い。その中でもトップクラスの選手は、どこの地域の選手だろうが、まずは相模に推薦される。系列校出身のプロのスカウトからの生きた情報も大きい。プロ12球団のジュニアチームにも指導者等がいて、こちらも真っ先に相模に情報が入るようになっている。どこよりも早く、有望な小学生にツバをつけるから、地元の有力校が声を掛けたら、とっくに相模に決まっていたというのはよくある話なんです」