西武に完封負けのオリックス “金満補強”がいきなり裏目
「いくら何でも過大評価ですよ」と漏らしていたのは試合前のオリックス関係者だ。
昨年はリーグ2位で優勝を逃し、オフは巨額の補強資金を投入。アメリカ帰りの中島裕之(32)とFAで小谷野栄一(34=元日本ハム)を獲得。助っ人は元DeNAのブランコ(34)に、広島からはバリントン(34)を引き抜いた。メジャーに色気をもっていた金子千尋(31)は、その後国内FA権を行使したものの残留。総額35億円を使った戦力を多くの評論家たちは高く評価。ソフトバンクとの「2強」や「ダントツ優勝」と予想している。
だが、大幅な戦力アップどころか、現場では不安を抱えている者が少なくない。
そもそも昨季2位で6年ぶりにCS(クライマックスシリーズ)に出場できたのは投手陣の踏ん張りや、機動力が使える若手野手の台頭があったからだ。それはリーグトップのチーム防御率(2.89)や同2位のチーム盗塁数(126)からもわかる。
「ところが、開幕戦から昨季最多勝の金子に、34試合連続無失点というパ・リーグタイ記録を残した中継ぎの比嘉が故障で出遅れた。にもかかわらず、先発でも中継ぎでも使える4年目のマエストリ(29)が、外国人枠の問題で二軍落ち。打線も、中島、小谷野、ブランコの加入で機動力が低下した。この日も俊足のヘルマン、坂口がベンチ要員。チームの持ち味を潰している」(前出の関係者)