首位独走DeNA 先発左腕の補強実現なら「優勝」も視界に?
「先発ローテに左投手が一人でもいれば、もっと手ごわいですよ」
DeNAについて、ライバル球団のスコアラーがこう言った。
8日の巨人戦は先発の井納が四回途中4失点でKOされるも、強力打線が火を噴き、6-5で今季9度目の逆転勝ち。6連勝で首位を走るチームは絶好調だが、一抹の不安が残るのが投手陣だ。チーム防御率がリーグ5位の3.50。とりわけ先発投手は助っ人のモスコーソが故障で離脱するなど、安定感を欠く。前出のスコアラーが続ける。
「今のDeNAの先発はすべて右投手。たとえばこの日対戦した巨人の橋本、亀井、アンダーソンもそうだし、阪神の鳥谷、中日の大島、ヤクルトの雄平など各球団には打線の中心となる左打者がいる。ローテに左投手を挟むことで、相手打者の目線を変える効果もある」
DeNAの先発左腕は尚成と「ドラ2」の石田(法大)くらい。過去、先発左腕がいない優勝チームは皆無で、98年の優勝時も左腕の野村弘樹が13勝を挙げた。
幸い、DeNAには“資金”がある。この日、2万6711人の観客を集めて大入り袋が出たように、1試合平均では前年比で約3000人も増加。来日を拒否して解雇されたグリエルの人件費(総額5億円)も使わずに済んだ。シーズン中の補強はオフと比べて簡単ではないが、トレードでの獲得はもちろん、億単位の金を用意すればメジャーリーガーだって呼べなくもない。
この日、抑えに抜擢されたドラフト1位の山崎(亜大)がプロ野球新人記録となる9試合連続セーブを挙げるなど、リリーフは奮闘しているだけに、先発左腕の補強が実現すれば、ひょっとしたらひょっとする。