対外国勢の“切り札”渡邉彩香に足りない技術を師匠が指摘
【富士通レディース】
テレサ・ルー(28・台湾)が初日から首位の座を譲らずに完全優勝で今季5勝目を挙げた女子大会。最終日は、飛ばし屋として知られる4打差2位発進の渡邉彩香(22)が、どこまで肉薄するかに注目が集まった。
14番終了時に2打差まで迫ったが、16番でテレサがイーグルを決めて4打差。その後は、テレサが17番、渡邉が18番でボギーとして、スタート時と同じ4打差のままだった。
渡邉にとって勝負どころの16番パー5でドライバーが左ラフにつかまり、2オンを逃したのが痛かった。テレビ中継の樋口久子が「まだ(ドライバー)ショットが安定していない。フェードからストレートに(球筋を)変えているので、(構えが)左を向いてしまう」と解説したが本当か?
2日目バーディーの18番でもドライバーが左ラフにつかまりボギーと、安定性を欠いた。渡邉を指導する石井明義プロに話を聞いた。
「ドライバーはさほど問題にしていません。16番もフックボールではなく、ストレートボールで本来ならフェアウエーに出てきてもおかしくなかった。18番も運が悪くフェアウエーの傾斜で左ラフまで転がってしまっただけです。問題なのはシーズン終盤になって持ち球のフェードがストレートになって飛びすぎていること。22歳と若く、パワーもついてスイングがどんどん進化している最中です。だから130~140ヤードの距離で、自分のイメージよりもボールが飛んでしまう。本来なら8Iで打つところを7Iのカット打ちで止めたいのです。いま、その修正に取り組むとボールがつかまらなくなる危険性があるからやりませんが、オフにみっちりカット打ちの練習をすることになります」
プロ4年目の渡邉は今季1勝を含むトップ10入り13回と安定感があり、賞金ランク6位と若手の中でも有望株だ。
テレサ・ルーやイ・ボミら外国勢の勢いを止めるにはショートアイアンの精度を高めることが急務なのだ。