引退後会社員希望急増も…プロ野球選手の就活が困難な理由
華やかな世界の裏側に厳しい現実が垣間見える。
26日、NPBが若手選手(平均年齢23.7歳)を対象にしたセカンドキャリアに関するアンケート結果を発表。「現役引退後に不安を感じている選手」が72.3%と、前年比で3ポイント増加した。
不安の内訳は「収入」と「進路」で88%を占め、引退後の希望進路(「やってみたい」と「興味がある」の合計)として、高校、大学の指導者が上位を占め、一般企業の会社員が63%と前年7位から3位に急上昇。NPBも「今後研修等の必要性が高いと考えられる。注意して見守りたい」と分析している。
「安定志向の表れでしょう」とは、ビジネス評論家の菅野宏三氏だ。
「近年はセールスマンなどビジネスの世界で成功する元プロ野球選手も出てきた。正社員になれば、会社によっては終身雇用もあり、安定した収入が得られる。支配下登録選手の最低年俸は480万円、アンケートに答えた選手の平均年俸が900万円というのを見ても、狭き門をくぐり抜けてプロ野球選手になっても、若い選手の大半は安い年俸しかもらっていない。しかも、3~5年で多くの選手がクビを切られる。高校生の親御さんがプロよりも大学、社会人への進路を薦めるケースも増えていると聞く。他の職業に比べて結婚も早く、家庭を持てばなおさら安定志向が強くなります」