“おいしい大会”は外国勢5連覇…日本女子プロの不甲斐なさ
【LPGAツアー選手権リコーカップ】
実力の違いだけが理由ではない。
国内女子ツアー最終戦は、一時は11アンダーで首位に並んだ鈴木愛(24)が18番のボギーで優勝争いから脱落。申ジエ(30)がプレーオフ1ホール目でペ・ヒギョン(26)を下し、今季4勝目を挙げた。
申はこれで年間4つある公式大会(メジャー)のうち、3冠を獲得。特典として来季から7年間のシード権を手にしたわけだが、それにしても本大会は5年連続で外国選手が優勝。他の公式大会もワールドレディスは4年連続、日本女子プロも2年連続で外国勢が勝っている。畑岡奈紗(19)が3連覇を狙った日本女子オープンも今年は韓国のユ・ソヨン(28)が制した。公式大会は通常の冠大会より優勝賞金(2400万~3600万円)が高く、勝てば翌年から3年間のシード権が得られる「おいしい大会」。それが、日本選手はいつも外国勢の脇役に甘んじている。評論家の宮崎紘一氏が呆れ顔でこう語る。
「申ジエや賞金女王になったアン・ソンジュ(31)は、日本ツアーで長くプレーし、家族へ大金を送り続けたい。そのため公式大会は、いつもの大会以上にしっかり調整し、勝利への意識も高い。一方、日本選手は公式大会への思いが希薄に見える。毎試合賞金を稼ぐことや、シード権を取るための計算ばかりしているのではないか。例えば、『今季は賞金女王になる』とか『1つでも公式大会に勝つ』といった明確な目標があれば、技術面やメンタル面でもどんなことに取り組めばいいのか見えてくるもの。畑岡は賞金だけにこだわれば国内ツアーでプレーした方が稼げる。それより海外メジャー優勝という目標のために米国へ行った。まず目標が先にあり、稼ぎは後からという考えなのです。要は志の問題です」
申ジエやアン・ソンジュが「日本のことが大好き」と言うのは当然だ。