部長は他球団のスカウトからもこっそりと情報を収集する

公開日: 更新日:

■時にはカマをかけ

 部長の口から出てきたのはライバル球団のスカウトの名前だった。自分の目で見られる選手には限界がある。なので現場に行くたびに選手の実力に加え、他球団のスカウトの眼力もチェック。この選手をどう見ているかなどと、ときにはカマをかけ、返ってきた答えによって、そのスカウトの選手を見る目がどんなものか把握しているというんだ。で、確かな目をもっていると判断したスカウトには自分が見られない選手の評価をこっそり聞くようになったという。

「おまえたちの目を信用してないわけじゃない。けれど、見逃すこともあるだろうし、スカウトには好みもある。なのでオレが見られない選手に関しては、信用できる第三者の評価もアテにしてるんだ」

 こう言う部長は「それに……」と続けた。

「おまえは気に入った選手を過大評価するけど、中には、こんなのまでリストに入れるなよと言われるのが嫌で、選手を積極的に推薦しないスカウトもいるからな。それに見る目をもった他球団のスカウトはウチに引っ張ったっていいだろ?」

 ニヤニヤしながら言う部長の言葉を聞いているうちに、今度の夏の甲子園に行くであろうお気に入りの投手の球速を10キロ増しで報告したことを思い出し、少しだけ首筋が寒くなったね。

(プロ野球覆面スカウト)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭