内村航平が再始動 五輪延期で4大会連続出場に一縷の望み
かつての絶対王者が再始動した。
男子体操個人総合で2大会(ロンドン、リオ)連続金メダルの内村航平(31)が、先月27日から利用が再開されたナショナルトレーニングセンター(東京・北区)での練習を再開。新型コロナウイルスの感染を防ぐため、時間や人数など条件が限られる中、連日にわたって汗を流している。
2016年リオ五輪で個人総合連覇を達成してからは、肩や腰、膝と相次ぐ故障に見舞われた。練習もままならず、17年世界選手権(カナダ)では途中棄権し、同大会での個人総合連覇は「6」でストップ。翌18年の全日本選手権は3位に終わり、前人未到の11連覇はならなかった。
内村の代名詞とされた技の美しさは影を潜め、体操選手のピークとされる20代半ばも過ぎていることから、限界説もささやかれた。今年4月の東京五輪代表選考会を兼ねた全日本選手権で敗退すれば、一線を退くとみられていた。
しかし、多くの競技同様、コロナ禍により4月の選考会は中止。東京五輪も1年先送りされたことで、08年北京五輪からの4大会連続出場に、わずかな望みが出てきた。