瀬戸大也新コーチは指導歴なしの同級生 五輪への影響は?
男子競泳の瀬戸大也(26)が、埼玉栄高時代の同級生、浦瑠一朗氏(25)を新コーチに迎えて東京五輪での金メダルを目指すことになった。
瀬戸は小5から指導を受けてきた梅原孝之コーチと4月に決別。今後は幼少時代から同じクラブで汗を流し、気心の知れた浦氏と練習メニューを作り、二人三脚で表彰台を狙う。同じ個人競技では体操の内村航平(31)が、かつてのチームメートをコーチに招いたが、競泳では初めてのケースとなる。浦氏は昨年まで現役スイマーで、指導者経験はない。約1年後に迫った五輪本番を前に思い切ったことをしたものだが、瀬戸にとって今回のコーチ変更はむしろプラスになりそうだ。
■北島は連覇したが…
平泳ぎで2大会(2004年アテネ、08年北京)連続金メダルを獲得した北島康介も同じような道のりを歩んだ。
北島は北京五輪後、長らく指導を受けてきた平井伯昌コーチ(現日本代表ヘッドコーチ)との師弟関係を解消。競泳界の名将としら知られる南カリフォルニア大学のデーブ・サロ氏の門を叩いた。同大では北島だけでなく、米国内はもちろん、世界中のトップスイマーが練習を積んでいたため、北島はサロ氏から個人的に指導を受ける機会はほとんどなかった。北島は各国のライバルと練習法を模索したり、互いに助言し合うなどして、レベルアップに努め、北京での2種目(100メートル、200メートル)連覇につなげた。
北島は後に当時のことを「それまでコーチに任せていたこともやるようになり、自分で考えるようになった」と振り返っている。
東京五輪を前にひとり立ちした瀬戸は北島同様、結果を残せるか。