大谷の“内憂外患” 二刀流キャンプ発進も試練のシーズンに

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マドン監督は1年目から選手にムチ

 これだけでもシンドイのに、「負担がさらに増す可能性があります」とスポーツライターの友成那智氏はこう続ける。

「大谷は開幕投手を務めるヒーニーに次ぐ、先発2番手の位置付けですが、ヒーニーの昨シーズンの防御率は4・91。大谷は実質的にエースとしての働きを求められます。エンゼルスはオフにFAでテヘラン、トレードでバンディと先発を2人獲得しましたが、リリーフ陣はほとんど整備されてないし信用できない。相変わらず手薄です。手術明けとはいえ、大谷は7回くらいまで投げさせられる可能性が高い。ましてマドン監督は1年目から選手にムチを入れるタイプの指揮官ですからね。大谷の体が心配です」

■台風の目となるのは…

 コロナ禍の影響で対戦相手は同地区に限定される。

 ア・リーグ西地区のアストロズ、アスレチックス、マリナーズ、レンジャーズと10試合ずつの40試合、ナ・リーグ西地区の5球団と4試合ずつの20試合、計60試合だ。

 大谷はこれまで、投打とも同地区のアスレチックス(打者として打率・310、6本塁打、投手として防御率2・08)とレンジャーズ(打者として打率・337、6本塁打、投手としては対戦なし)をカモにしてきた。

 しかし、今季は、この2球団の戦力が大幅にアップしているのだ。

「アスレチックスは新人王候補でもあるパクとルザード、それに左肩手術明けのマナイア、いずれも力のある左腕がローテーション入りする可能性が高く、左打者の大谷はこれまでのような打撃ができるのかどうか疑問と言わざるを得ない。野手もチャップマン、オルソン、ローリアーノといった若手が力を付け、アスレチックスは今季、台風の目になるだけの力をもったチームです」

 と、友成氏はさらにこう言う。

「レンジャーズは打線はともかく、投手陣がかなり強力になった。サイ・ヤング賞を2度受賞したクルーバーに加え、ギブソン、ライルズと先発で2ケタ勝利の計算できる投手を補強して、厚みが増しています。アスレチックス戦は投打とも苦労するでしょうし、レンジャーズ戦でこれまでのように打てるとは思えないのです」

 肉体の不安に加え、ライバルの戦力アップ。内憂外患で、大谷は今季、試練のシーズンを迎えることになる。

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