米国の球団経営者たちが「トランプ再選」に期待する理由
2020年の国際政治の中で最大の関心事の一つは、米国の大統領選挙だ。
国連幹部が「史上最低の大統領」と批判しながら、根強い支持者をつなぎ留めることに成功しているのが、現職大統領で再選を狙うドナルド・トランプだ。これに対し、民主党の大統領候補となるのが確実なジョー・バイデンは、「経験豊かな中道派」という印象があるものの失言癖が直らず、「トランプに比べればよいかも知れないが」と消極的な評価にとどまる。
米国の政治専門ウェブサイト・リアルクリアポリティクスによれば、5月28日から6月16日までの各種の世論調査を平均すると、バイデンの支持率はトランプを8・8ポイント上回っている。
確かに、社会の分断をあおるかのような言動を繰り返すトランプに対する批判の声は、米国の内外にかかわらず強いものだ。しかし、バイデンの勢力も伸び悩んでいることは、トランプとの差が全米平均で10ポイント未満であり、決定的な支持となっていないことからも推察される。
そして、ここに、大リーグの球団経営者たちのほぼ4分の3が共和党への献金を行い、「トランプ支持」あるいは「共和党支持」の姿勢を崩さない理由が求められる。なぜなら、球団経営者たちは、バイデンの今後に懸念を持つからだ。