森会長だけじゃない!日本スポーツ界に今も蔓延る女性蔑視

公開日: 更新日:

 まさに集中砲火だ。

 東京五輪パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)が日本オリンピック委員会(JOC)評議員会で「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと女性を蔑視する発言をしたことに世界のメディアからも批判の声が上がった。森会長は4日、「軽率な発言で、おわびしたい」と陳謝。辞任は否定した。

IOCは男女差別排除

 2000年に開催された国際オリンピック委員会(IOC)主催の「第2回IOC世界女性スポーツ会議」では、IOC、国際競技団体、各国五輪委員会に対して、2020年までに女性代表者の構成率を上げることを求めた。トーマス・バッハ会長は2018年3月にも、男女間の差別を排除し、女性の参加を促進させるための改革案を実施すると述べ、「男女平等は基本的人権であり、五輪憲章の基本原則」とまで言った。

 例えば、1964年の東京五輪では出場選手の女性比率は13.2%だったが、今年の東京五輪は過去最高の48.8%。今回の森会長の発言はIOCの方針に逆らうものであり、五輪組織委員会のトップ失格だ。

 森会長の発言を聞いたバルセロナ五輪女子柔道銀メダルの溝口紀子氏(日本女子体育大教授)がこう言う。

「森会長の言葉は、女は黙っとけというメッセージにも受け取れます。多くの会議で女性が挙手する場面が多いということは、競争意識が高いのではなく、それだけ問題意識があるということではないでしょうか。それを競争意識と思ってしまうことが、女性が組織に対して発言することへの嫌悪感、敵対心と感じました」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • その他のアクセスランキング

  1. 1

    スポーツ界に時代錯誤の事案が多発する根本原因…新聞社後援イベントは限界と危うさを孕んでいる

  2. 2

    GPシリーズ初戦SP、坂本花織は2位発進も…集大成の今季に待ち受ける茨の道

  3. 3

    JOC山下泰裕会長の療養離脱からはや1年…三屋裕子代行でも“無問題の大問題”

  4. 4

    極めて由々しき事案に心が痛い…メーカーとの契約にも“アスリートファースト”必要です

  5. 5

    広陵高の暴力問題が話題だが…私は世羅高3年で主将になって、陸上部に蔓延する悪習を全て撤廃した

  1. 6

    出雲駅伝7位完敗の青学大・原監督に直撃「ばけばけ大作戦の点数? 0点でしょう!(苦笑)」

  2. 7

    柔道五輪金メダリスト・松本薫さんは2週に1度ファミリーフィッシングで堤防へ「胸の奥には大物への渇望がくすぶっています」

  3. 8

    テニスの団体戦を愛するキング夫人はドジャースの共同オーナー 大谷獲得でも猛プッシュ

  4. 9

    “ミスター・ラグビー”と呼ばれた松尾雄治さん 西麻布で会員制バーを切り盛り「格安なので大繁盛だよ」

  5. 10

    ジャパンOPテニスが空前の観客動員を実現できた背景…手放しで喜べないスポーツ興行の深刻事情

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ソフトバンクに激震!メジャー再挑戦狙うFA有原航平を「巨人が獲得に乗り出す」の怪情報

  2. 2

    山崎まさよし、新しい学校のリーダーズ…“公演ドタキャン”が続く背景に「世間の目」の変化

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    草間リチャード敬太“全裸騒動”にくすぶる「ハメられた」説…「狙った位置から撮影」「通報が早い」と疑問視する意見広がる

  5. 5

    維新の「議員定数1割削減」に潜む欺瞞…連立入りの絶対条件は“焼け太り”狙った露骨な党利党略

  1. 6

    山崎まさよし公演ドタキャンで猛批判 それでもまだ“沢田研二の域”には達していない

  2. 7

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  3. 8

    「これが寝るってことだ」と感激…女優の岡崎友紀さん変形性股関節症との苦闘

  4. 9

    クマが各地で大暴れ、旅ロケ番組がてんてこ舞い…「ポツンと一軒家」も現場はピリピリ

  5. 10

    公然わいせつ容疑で逮捕→釈放も“連帯責任”…Aぇ! group草間リチャード敬太の芸能界復帰はイバラの道