筒香の「強豪チームで打てない」というレッテルは簡単にはがせない
ごく最近、他球団のスカウトから電話がかかってきた。
わたしに聞きたいことがあるという。先月、パイレーツ入りして、すでに7本塁打を放っている筒香嘉智(29)に関してだ。
聞けば「シーズンが終わるまでいまの調子を維持するようなら、オフに獲得に動くかもしれない」という。
スカウトが所属するのは、若手を中心に再建中のチームだ。今季のプレーオフ進出はすでに絶望的。どうやら若手が育つまでのつなぎとして、筒香に白羽の矢を立てているらしい。それで、情報提供者を通じて筒香の日本時代を知るわたしに意見を求めてきたのだ。
「ヤツはどんな性格なんだ? ムスッとしてることが多いけど、ウチのチームに馴染めるような人間か?」
メジャーには日本人選手をカバーするスカウトがいない球団も中にはある。選手の実力を数字だけで評価するチームがそうだ。
しかし、選手の性格や人間性までは数字で判断できない。どんなに実力があっても、チームにフィットしなければ宝の持ち腐れ。それだけに数値優先の球団のフロントやスカウトから、長年、日本にパイプのあるわたしに選手のパーソナリティーを教えて欲しいという電話がかかってくるケースがある。