筒香の「強豪チームで打てない」というレッテルは簡単にはがせない
「性格はマジメさ。日本にいたときはオフに単身、ウインターリーグにチャレンジしたほど。とにかく野球に対して真摯な男だ。クセのあるヤツじゃないし、チームにも溶け込めると思う」
こう答えると、彼は弾んだ声で「ありがとう!」と言って、電話を切った。
■若手が育つまでのつなぎ
筒香に当たりが出てきたのは、始動を早くした、つまり早めに打ちにいくようになったことが大きい。日本の投手は投げるときにタメというか、間がある。このタイミングに合わせた打ち方ではメジャーの投手には対応できない。筒香は3Aで積んだ経験が生きているのだと思う。
気になるのは7本塁打の中身というか、打った相手だ。カージナルス4本、カブス2本、ダイヤモンドバックス1本。一発を打っている相手はいずれも今季、すでにプレーオフ進出が厳しくなったチームだ。そしていま、プレーしているのは地区最下位のパイレーツ。つまりは勝利へのプレッシャーがほとんどないチームの選手が、同様のチームの投手から打った本塁打なのだ。