著者のコラム一覧
Ricardo Setyonジャーナリスト

リカルド・セティオン 1963年生まれ。サンパウロ出身。中東戦争やユーゴスラビア紛争などを現地取材。スポーツジャーナリストに転身し、8カ国語を操りながらブラジルメディア以外にも英「ワールドサッカー」、伊「グエリン・スポルティーボ」など幅広く執筆。BBCのラジオ番組にも出演。98年、02年のW杯期間中にブラジル代表付き広報を務めた。現在もジーコ、ロナウド、ロナウジーニョ、カフー、ドゥンガら大物との親交も厚い。13年コンフェデレーションズカップではFIFA審判団の広報。国内では「ワールドサッカーダイジェスト」「スポルティーバ」などでコラムを執筆中。ブラジルのマッケンジー大、パナマのパナマ大、イスラエルのハイファ大などでスポーツマネージメントの講義を行う。自他ともに認める「サッカークレージー」。

イラン、エクアドル、チュニジアのW杯出場権ハク奪騒動でイタリアが大盛り上がりしたワケ

公開日: 更新日:

 ボンジーア!(こんにちは!) どうしてカタールW杯というのは「クレージー」なことばかり続くんだろうね。実は開幕前に3つの国の出場が危ぶまれる事態となっていたんだ。

 まずイラン。「ベールのかぶり方が不適切」っていうだけで、女性が警察に暴行され死亡した事件、覚えているよね? 抗議活動で250人以上が亡くなったが、この国には自由がほぼない。そこでイランのスポーツ選手たちが立ち上がり、FIFAに「自国のW杯出場権をハク奪してくれ」と求めた。彼らはそのことで世界が「イランの人権問題」に注目してくれると考えたからだ。

 すると、今度はウクライナ協会が「ロシアに武器を供与するイランに出場資格はない」とFIFAに書簡を送った。ロシアも出場停止ならイランも同罪ってわけだ。

 突然だけど──。ここでクイズをしよう!

 W杯優勝経験国で唯一カタール大会に出ない国はどこか知っているかな?

 答えはイタリアだ。W杯4度優勝のイタリアのFIFAランキングは6位。予選で敗退した国の中で一番高い。だからこそ家でイタリア抜きのW杯を見なくちゃいけないことが、イタリア人は悔しくてたまらない。もしイランが出られないなら、その代わりを探さなきゃいけない。この一報が伝わると「イタリアが呼ばれるかもしれない」と国内はザワついた。ある国連大使が「イランを外してランキング上位のイタリアを入れるべき」とFIFA会長に直訴したというニュースもイタリア全土を駆け巡った。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…