棋士たちの盤上盤外
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父・周作氏の助っ人も フジTV新社長遠藤龍之介さんの棋力
6月下旬にフジテレビの社長に就任した遠藤龍之介さん(63)は、熱心な将棋愛好家として知られている。そんな縁で2年前から日本将棋連盟の外部理事を務めている。 写真(撮影・田丸)は、私が主宰した…
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大山康晴対加藤一二三 秒読み中のトイレが流れを変えた
棋士は対局中にペットボトルなどの飲み物を頻繁にとる。頭を酷使したり緊張感が高まると喉が渇くからだ。必然的に小用をよく催すことになる。トイレに行くために席を立つのは自由で、自分の手番だと持ち時間がその…
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6人認定で1974年に発足 女流棋士の課題は経済基盤の拡充
1974(昭和49)年10月。女流棋士の制度が発足し、日本将棋連盟は過去の実績から6人を女流棋士として認定した。写真(上・撮影はいずれも田丸)は、旧将棋会館の玄関前に並んだ女流棋士たち。左から、女流…
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作曲やバンド活動も 30代の新理事・西尾明七段の異能ぶり
6月上旬に開かれた日本将棋連盟の通常総会では、2年ごとに改選される計15人の理事(常務理事、非常勤理事、外部理事)が選任された。 実際の運営に携わる常務理事(定数は東京5人・関西2人)の予備…
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伸び盛りの若手に朗報 順位戦の昇級枠拡大が総会で可決
日本将棋連盟の通常総会が6月7日に都内で開かれた。241人の正会員のうち、出席者は188人(委任状を含む)。 総会は午後1時に開会し、会長の佐藤康光九段(49)の挨拶、議長指名、新会員紹介、…
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大山康晴名人超え歴代最多1434勝の羽生善治九段に漂う凄み
1986(昭和61)年1月31日。羽生善治四段(当時15)は王将戦で宮田利男六段(同33)と対戦した。メディアは天才の誉れが高い羽生のデビュー戦に注目し、多くの報道陣が集まった。他の対局者も羽生の戦…
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「角使いの名手」升田幸三の遺伝子を受け継ぐ豊島将之名人
今年の名人戦7番勝負は、佐藤天彦名人(31)に豊島将之二冠(29=棋聖・王位)が初めて挑戦した。佐藤が防衛して名人戦で4連覇すれば、「永世名人」の取得まであと1期となる。豊島が名人を獲得すれば、現在…
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羽生善治九段が園遊会で見せた“対局”同様の当意即妙な返答
1989(昭和64)年1月7日午前6時33分。天皇陛下(昭和天皇)が87歳で崩御された。 その日、東京の将棋会館では女流棋戦の対局が1局だけ組まれていた。対局者の女流棋士は「こんな時に将棋を…
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「東宮ちゃんにはかなわんよ」昭和天皇がニコニコと悲鳴を
今回も皇室と将棋の関連をテーマにする。 64年前の1955(昭和30)年の元日。天皇陛下(昭和天皇)と皇太子さま(現上皇)が将棋を指している写真が、ある新聞に載った。 庶民が使うよう…
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昭和天皇も不思議に思われた塚田正夫名人の早めの投了
5月1日に新天皇が即位され、年号は令和に改まった。そこで、皇室と将棋の関連を3回にわたってテーマにする。 70年前の1949(昭和24)年。第8期名人戦で塚田正夫名人(当時34)に木村義雄前…
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「噂の真相」に書かれた田丸編集長の記事で笑ってしまった
元「噂の真相」発行人・編集長の岡留安則が1月31日、肺がんで71歳で亡くなった。 その岡留を「賑やかに送る会」が3月下旬に都内ホテルで開かれた。評論家の田原総一朗、佐高信、作家の筒井康隆、小…
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20歳で日本将来連盟を退会した竹俣紅さんにエールを送る
写真(撮影・田丸)は、アイドル棋士として人気があった竹俣紅元女流初段(20)。女流棋士のほかに、早稲田大学政経学部に在学中の大学生、大手芸能事務所に所属するタレントと、多彩に活動してきた。 …
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藤井聡太七段の“将棋めし” 対局支えた「みろく庵」が閉店
公式戦で活躍している藤井聡太七段(16)の対局では、「将棋めし」がいつも注目されている。 あるテレビ番組は、藤井への出前が予想される店に張り付き、注文を受けた光景や同じ料理を放送した。店員が…
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藤井聡太が最終戦の“秒読み”で 解説者泣かせの「毒饅頭」
藤井聡太七段(16)は3月27日、竜王戦の4組ランキング戦で中田宏樹八段(54)と対戦した。2018年度の最後の対局であった。 藤井は、中田の飛車を切る猛攻によって守勢に立たされたが、機を見…
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史上10人目の通算1000勝目指し 71歳・桐山清澄九段の挑戦
公式戦で通算1000勝した棋士は、将棋連盟から「特別将棋栄誉賞」が贈られる。まさに超一流棋士の証しである。 達成順に列記すると、大山康晴十五世名人(享年69)、加藤一二三・九段(79)、中原…
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プロ入りを果たした出口若武君と黒田尭之君におめでとう
将棋のプロ棋士になるには、奨励会(棋士養成機関)の最後の難関である三段リーグ(期間は半年ごと)で、2位以内に入らねばならない。過去5期の三段の人数は平均で34人。四段昇段の倍率は17倍と高い。 …
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杉本・藤井師弟同時昇進ならず…順位戦の昇進枠増も一考か
3月5日に行われたC級1組順位戦の最終戦では、混戦状態の昇級(2人)争いが注目された。 有力な昇級候補は、いずれも8勝1敗の近藤誠也五段(6位・22)、杉本昌隆八段(7位・50)、船江恒平六…
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挑戦権に残留争い…熾烈極まるA級順位戦・最終戦の全詳報
A級順位戦の最終戦は、3月1日に静岡市の料亭「浮月楼」で全5局が一斉に行われた。名人戦の挑戦者争いは、7勝1敗の豊島将之二冠(28)が最有力で、久保利明九段(43)に勝てば、佐藤天彦名人(31)への…
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「将棋界の一番長い日」豊島将之二冠の名人挑戦になるか
A級順位戦の最終戦は、名人戦の挑戦者争いに加え、一流棋士の証しといわれるA級の地位を守る残留争いが注目され、「将棋界の一番長い日」とも呼ばれている。 今年は本日(3月1日)、最終戦の5局が一…
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佐々淳行さんは「穴熊」を知ってから危機管理に目覚めた
47年前の1972(昭和47)年2月下旬。武力闘争による共産主義革命を目指す「連合赤軍」の5人の兵士が、警察に追われて長野県・軽井沢の保養所「あさま山荘」に逃げ込み、管理人の妻を人質にとって立てこも…