講談師・神田茜大いに語る
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「講談は女性が自己表現するのに理想的な職場なのかもしれません」
古典と新作、二刀流を使う落語家は多いが、講談師は少ない。同じ2代目山陽門下で、茜の弟弟子に当たる3代目神田山陽は、二刀流を使った。春風亭昇太がリーダーのSWA(創作話芸アソシエーション)のメンバーだ…
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「お年寄りは古典を喜んで聴くけど、これでいいのかなと疑問も」
講談師と小説家を兼業する茜は、上手に両立させている。 「講談の高座は仕事場までの往復を入れても短時間ですが、小説は時間がかかります。不器用な私は掛け持ちができないので、寄席出演が3カ月くらい休…
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「講談は制約があるけど、小説ですと自由に書けました」
2002年、落語協会に入会した茜は寄席に出られるようになったが、当時、幼児だった2人の子供の世話と家事で忙しく、高座に上がる機会は少なかった。その欲求不満を晴らすように、新作講談を作り続けたという。…
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「娘が小学生の時、作文に『昨日、うちに白鳥さんが遊びに来ました』と…」
新作講談が好評で真打ちに昇進、結婚もしたが、2人の子の育児に時間を取られる。 「私は子供の学校のことを一生懸命やるほうで、PTAの役員とか、息子が入ってるサッカーチームの世話役とかを引き受けち…
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「新作講談を勧めてくれた円丈師匠は私にとって救いの神でした」
茜の出世作といわれる新作講談、「幸せの黄色い旗」は、経験談を基にしたものだ。 「講談に出てくる名所旧跡を巡るバスツアーの車内で、講談を読む仕事をよくやってました。必ず若いバスガイドさんが乗って…
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滑舌が悪くて真田幸村が「さらだゆきむら」に聞こえる(笑)
神田山陽が講師を務める講談教室に入って間もなく、弟子入りが許された。1985年12月のことである。 「うちの師匠はとっても柔軟な考えを持っていて、『講談は男が演じるもの』という既成概念を打破し…
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神田伯山さんの活躍で「講談の説明をしなくてもすむようになりました」
現在、東京に講談師は約70人居る。そのうち女流は6割で、40人を超す。落語家より女性が多いのだ。今回は女流の中でも新作講談を演じる神田茜にご登場願った。茜は小説家としても文学賞を受賞するなど活躍して…