検察vs政界 経済事件記者の検証記
-
【東京佐川急便事件】異聞(6)撚糸工連事件で“落とした”元理事長も巻き込んで株で仕手戦
撚糸工連元理事長を“落とした”田中森一と元理事長の関係をめぐる後日談がある。 元理事長は、退官して弁護士になった田中を頼った。弁護人となることはなかったが、田中は何くれと面倒をみていたとみら…
-
【東京佐川急便事件】異聞(5)撚糸工連事件で元理事長を“落とした”田中森一の捜査手法
東京地検特捜部では、副部長の石川達紘が指揮する撚糸工連事件政界ルートの捜査が難航していた。自民党の稲村佐近四郎、民社党の横手文雄の現職代議士2人が撚糸業界の過剰設備共同廃棄事業をめぐり、撚糸工連元理…
-
【東京佐川急便事件】異聞(4)田中森一は「東京で名前を売って弁護士になる。これからはカネ儲けや」と言った
筆者は、大阪の司法記者クラブで検察を担当して間もなく、大阪府庁を根城にする情報誌主宰者から大阪府北部の市長の収賄疑惑情報を入手した。当時の毎日新聞の司法記者クラブはキャップと裁判担当、検察担当の3人…
-
【東京佐川急便事件】異聞(3)記憶に残る「闇の守護神」弁護士・田中森一の素顔
東京地検特捜部の捜査が迫った小谷光浩に、国際航業への「返済」をアドバイスしたのは元特捜検事の弁護士、田中森一だった。主任検事の佐渡賢一とは検事任官が同期だった。特捜部の手の内を知っているがゆえに、捜…
-
【東京佐川急便事件】異聞(2)藤田観光株をめぐる相場操縦
「兜町の錬金術師」と呼ばれた仕手グループ「光進」代表の小谷光浩の買い占め対象となった企業側には、狙われるだけの理由があった。資産価値の割に株価が安かったり、内紛を抱えていたりした。バブルに踊り、財テク…
-
【東京佐川急便事件】異聞(1)バブル崩壊で開いたパンドラの箱
金丸脱税事件摘発の1年前。戦後日本の負の遺産が噴出した根の深い事件が摘発された。運送大手の佐川急便グループの中核企業、東京佐川急便を舞台にした巨額背任事件である。政界のドン・金丸信を失脚させ、自民党…