検察vs政界 経済事件記者の検証記
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【東京佐川急便事件】異聞(206)「確実に有罪を得たいと張り切りすぎたというのが本当のところ」
東京佐川急便事件の捜査を取り仕切った特捜部長の五十嵐紀男は、問題の実名調書が裁判所に提出されていたことをまったく知らなかったと筆者の取材に答えた。 五十嵐は担当副部長の佐渡賢一と主任検事の大…
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【東京佐川急便事件】異聞(205)特捜部長は実名調書の証拠提出を知らなかった
結局、首相の宮沢喜一の判断で、自民党は検察に対する告訴を見送った。 しかし、自民党側は執拗にこの問題を国会で追及した。 内閣改造で新たに法相に就任した後藤田正晴は翌93年3月11日の…
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【東京佐川急便事件】異聞(204)最高検検事・石川達紘は官邸側にアドバイスした
検察を告訴すると息巻く政権与党の自民党に、政府機関である法務・検察を抱える宮沢政権は困った。そのとき、政権側に「告訴はしない方がいい」とアドバイスした検事がいた。当時、最高検検事だった石川達紘である…
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【東京佐川急便事件】異聞(203)検察だけが袋叩きにされるおかしな展開
皇民党調書の朗読事件をめぐって国会でも法務・検察を激しく責め立てる自民党。 検察側で政府委員として毎回、答弁に立ち、時には立ち往生したのは法務省刑事局長の濱邦久だった。 調書を証拠申…
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【東京佐川急便事件】異聞(202)当時の自民党幹事長、綿貫民輔が担当検事を告訴すると表明
日本皇民党総裁の供述調書で実名を公表された政治家や自民党はここぞとばかり検察を責め立てた。 自民党幹事長の綿貫民輔は「伝聞に基づく検事調書であり、人権の上で極めて問題だ」などとして、国会の裁…
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【東京佐川急便事件】異聞(201)皇民党との接触を認めた政治家もいたが…
法廷で朗読されてしまった日本皇民党総裁のOの実名供述調書。名前を挙げられた自民党の政治家たちはどう反応したか。 朝日新聞によると、金丸信の次男で秘書の信吾は、電話取材に対し「全くの事実無根。…
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【東京佐川急便事件】異聞(200)金丸信の代理人が「30億円で手を引いてくれ」と
東京地裁の法廷で朗読された日本皇民党総裁のOの供述調書。自民党の7人の政治家の実名が飛び出し、傍聴席はどよめいた。 Oの供述が事実なら、金丸信による稲川会会長の石井進へのほめ殺し封じ依頼に続…
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【東京佐川急便事件】異聞(199)金丸信への罰金刑で厳しい批判を受けた特捜部の「惨事」は続く
金丸信に対する取り調べ抜き上申書での罰金処理で厳しい世論の批判を受けた東京地検特捜部。悪いことは続く。今度は「ミス」だ。東京佐川急便元社長、渡辺広康らに対する特別背任事件の公判に本来は開示すべきでな…
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【東京佐川急便事件】異聞(198)無理してでも立件し法整備を整えようと考えた
東京佐川急便事件摘発当時、政治権力の実権は、政府から政党に移っていた。政界のドン、金丸信がその象徴だった。 その世界では、職務権限を認定できない「生の政治力」と趣旨のはっきりしない「生のカネ…
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【東京佐川急便事件】異聞(197)捜査環境の変化で贈収賄捜査は次第に困難に
時代は移り、世の中は変わった。特捜検察の政界汚職摘発はますます難しくなる。 贈収賄立件のカギは贈賄側など関係者からの自白獲得にある。それが簡単に取れなくなってきたのだ。日本社会に根強かった「…
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【東京佐川急便事件】異聞(196)検察の十八番は贈収賄罪摘発…政治資金規正法はほこりまみれ
特捜検察が「巨悪」に迫り切れなかったのは、検察側が政治に忖度したわけではない。捜査構造と捜査モデルに原因があったと筆者は考えている。 特捜検察には、検察権行使の長い歴史の中で練り上げた捜査の…
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【東京佐川急便事件】異聞(195)法の不備を指摘し改正を促す狙い。それはあえなくついえた
1992年9月28日、東京地検特捜部は、東京佐川急便から5億円もらった金丸信に対する20万円の罰金処分、1億円もらった新潟県知事の金子清に対する公判請求処分を同時に行い、発表した。 特捜部長…
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【東京佐川急便事件】異聞(194)知事は有罪。佐川マネー3億円のうち残り2億円は未解明
金丸信の5億円闇献金事件と同時処分となった元新潟県知事・金子清の政治資金規正法違反に対する東京地検特捜部の捜査の話を続ける。 特捜部の捜査記録によると、特捜部は新潟地検に検事を派遣し1992…
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【東京佐川急便事件】異聞(193)金丸5億円事件に比べ、新潟県知事事件の捜査はすべて順調だった
金丸処分の「えこひいき」批判の引き金になった金子事件の顛末も紹介しておこう。 政界のドン、金丸信の5億円闇献金事件の影に隠れてしまったが、新潟県知事の金子清の事件は、政治家(知事)本人を政治…
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【東京佐川急便事件】異聞(192)金丸事件では終始、腰が引けていた検察首脳
「特捜部=関東軍」論の話を続ける。 検事総長まで決裁した金丸信の闇献金事件の捜査手順や処理について、検察部内から「特捜部の独走」という声が出るのは異常だった。ただ、つらつら考えると、金丸事件で…
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【東京佐川急便事件】異聞(191)「特捜部=関東軍」説が検察部内から広がった
金丸処分をめぐる検察批判の話に戻る。 札幌高検検事長の佐藤道夫、元特捜部長の河上和雄、前特捜部長の石川達紘らの特捜捜査批判は、現役特捜検事にとって厳しくはあるが、見方を変えれば、身内ゆえの叱…
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【東京佐川急便事件】異聞(190)覚書が明かす…敏腕副部長が特捜部長になれなかった理由
元法務事務次官の根来泰周の覚書は、1983年1月に任官同期の河上和雄が東京地検特捜部長に起用された際の舞台裏の話も記している。 政官財の巨悪に挑む東京地検特捜部を陣頭指揮する特捜部長は、多く…
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【東京佐川急便事件】異聞(189)河上元特捜部長は本当に「検事総長になれないなら」と退官したのか
金丸信の闇献金事件処理をめぐる検察批判に対し、月刊誌に異例の反論寄稿をした法務事務次官の根来泰周。すでに「検事総長の椅子」と題する覚書で佐藤道夫ら「身内」の検察批判の背景には人事の不満がある、と示唆…
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【東京佐川急便事件】異聞(188)高まる検察批判に法務事務次官も月刊誌で異例の反論
法務省法務総合研究所長の亀山継夫に続き、法務事務次官の根来泰周も1992年11月10日発売の月刊「文芸春秋」12月号に検察批判に対する反論を寄稿した。 「政治と法務と検察と-検察批判に答える」…
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【東京佐川急便事件】異聞(187)亀山寄稿は、検察批判への反論を検察擁護と受け止められた
金丸信の闇献金事件処理をめぐる検察批判に対する法務総合研究所長の亀山継夫の反論寄稿。「検察の常識が非常識だといって責められるべき」というフレーズは新鮮だったが、「身内による検察擁護論」と受け止める向…