血液型と病気
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血液型を決める「糖鎖」が医学分野で熱い注目を浴びている
1月からスタートした本連載も最終回となりました。ABO血液型と感染症、がん、血栓症の関係で、現在までに分かっていることを紹介してきました。血液型と病気というテーマは、世間では「キワモノ」的な扱いを受…
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非O型は要注意…知られざる血栓症「急性上腸間膜動脈閉塞症」の怖さ
動脈の血栓症は、脳梗塞と心臓梗塞に限られているわけではありません。心房細動で生じるフィブリン血栓は、大動脈から全身に送られます。また動脈硬化は全身に起こりますから、血小板血栓も、どこに生じてもおかし…
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非O型のフィブリン血栓脳梗塞リスクはO型の1.5~2.0倍
血栓症の代表は、急性心筋梗塞と脳梗塞です。しかしこれらの病気は、深部静脈血栓症や肺塞栓症より、プロセスが複雑です。 「フィブリン血栓」によるものと、「血小板血栓」が引き起こすものがあるからです…
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非O型はエコノミークラス症候群のリスクが2倍 25年間のデータで判明
「肺塞栓症(エコノミークラス症候群)」は、足の付け根の静脈などにできた深部静脈血栓がちぎれて、肺動脈に流れ込み、血管を塞ぐことによって生じます。突然息苦しくなり、強い胸痛に襲われて、最悪の場合は命を落…
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非O型は深部静脈血栓症のリスクが2倍以上 多数の研究で証明
フィブリン血栓は、流れが遅い血管にできやすいことが知られています。とくに足の付け根から骨盤内を通っている太い静脈や、ふくらはぎの深いところを通っている静脈が、好発部位です。それらの静脈(深部静脈)は…
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血栓には2種類ある O型は足の付け根の静脈に「フィブリン血栓」ができにくい?
血管内でできる血の塊を「血栓」と呼びます。顕微鏡を使わないと見えない微小なものから、太い血管を塞いでしまうほどのものまで、大きさはさまざまです。 以前お話ししたように、出血を止める際に、血小…
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コロナにO型が強いのは血が固まりにくいから? A型は死亡リスクが高い
出血の止まりやすさは、A型がもっとも強く、AB型とB型は中間で、O型がもっとも弱いとされています。 医術が未発達の時代には、狩りや戦争で受けたケガが命取りになることも多かったことでしょう。し…
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血が止まりにくいO型はフォン・ヴィレブランド因子が少ない
血液凝固の第Ⅷ因子か第Ⅸ因子が、遺伝子異常によって、先天的に不足しているのが「血友病」です。これらの因子を作り出す遺伝子は、X染色体(性染色体)上に存在します。 男性の性染色体の組み合わせは…
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外傷による死亡リスクが高いO型は、なぜ血が止まりにくい?
O型は、非O型よりも出血のリスクが大きいのではないか--。過去数十年にわたって、世界中の医師たちがそんな疑問を抱き続け、またそれを確かめるために多くの研究を行ってきました。 その答えのひとつ…
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「全がんリスク」が高い血液型は? メタアナリシス解析で判明
血液型は胃がんや膵臓がんの発生リスクと関係していますし、肺がんの予後にも関与しています。では、ほかのがんではどうでしょうか。 過去に発表された多数の論文を総合的に評価する「メタアナリシス」解…
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血液型は肺がんの予後に影響する 発症リスクとは無関係だが…
国立がん研究センターの資料によれば、2018年の新規肺がん患者は、男性が約8.2万人(前立腺、胃、大腸に次いで4位)、女性は約4.1万人(乳房、大腸に次いで3位)です。20年の死亡は男性が約5.3万…
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膵臓がんになりやすい血液型は? 世界中で研究報告が相次ぐ
血液型との関係が、もっとも顕著なのが膵臓(すいぞう)がんです。従来から膵臓がんのリスク因子として、たばこと肥満が挙がっていました。また親が膵臓がんなら、子供もかかりやすいと言われてきました。しかしそ…
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血液型による胃がんリスクの差はどれくらいあるのか
胃がんのリスクは、O型を「1」とすると、A型「1.2」、B型「1.0」、AB型「1.2」程度。しかしそう言われても、イメージが湧きません。そこでもう少し分かりやすい数字をお示しします。 最新…
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「胃がん」になりやすい血液型は? 実は密接な関係がある
血液型は感染症だけでなく、一部のがんと密接に関係しています。とくに胃がんとの関係が、1950年代初頭から知られていました。イギリスで、3600人の胃がん患者の血液型を調べたところ、A型がかかりやすく…
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機能性ヨーグルトが花盛りだが…血液型を選ぶ乳酸菌がある
腸内細菌と聞いて、すぐに思い付くのが乳酸菌やビフィズス菌です。善玉菌の代表格として、いまや「花粉症に効く」「大腸がんを予防する」「血糖値の上昇を抑える」「コレステロールや中性脂肪を下げる」など、目的…
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腸内細菌叢も5パターンある 血液型の研究は「病気」から「健康」へ
腸内細菌叢は、「生活習慣(食事・運動・睡眠・ストレスなど)」と「遺伝的素因」によって決まると考えられています。遺伝的素因のひとつが、腸の粘膜細胞の組織血液型抗原です。これには分泌型と非分泌型があり、…
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組織血液型抗原「分泌型」と「非分泌型」では腸内細菌叢が違う
組織血液型抗原(HBGA)を利用しているのは、ノロウイルスやピロリ菌ばかりではありません。腸内に普通にすんでいる常在菌たちも積極的に利用しています。彼らの多くは、ピロリ菌と類似のアドヘシン(接着タン…
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O型には胃・十二指腸潰瘍が多い ピロリ菌は組織血液型抗原を利用
「ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)」も、組織血液型抗原を利用しています。ご存じの通り、胃や十二指腸にすみついて、慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍を引き起こす菌です。また、マルト・リンパ腫と呼ばれる胃がんの…
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ノロウイルスはO型の血液型を好む 数々の人体実験で判明
試しにネットで「組織血液型抗原」と検索してみてください。おそらく上位にノロウイルスとの関係を扱った資料やページがずらりと並ぶはずです。 ノロウイルスとは言うまでもなく、冬の食中毒の原因として…
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8割の人が唾液や精液、毛髪などから血液型が分かる理由
小説やテレビドラマなどで、唾液や精液、毛髪などから犯人の血液型がわかる、というシーンを見かけます。しかしそれは、唾液や精液に血液が混ざっているからではありません(歯槽膿漏なら、混ざっているかもしれま…