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永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

非O型は深部静脈血栓症のリスクが2倍以上 多数の研究で証明

公開日: 更新日:

 フィブリン血栓は、流れが遅い血管にできやすいことが知られています。とくに足の付け根から骨盤内を通っている太い静脈や、ふくらはぎの深いところを通っている静脈が、好発部位です。それらの静脈(深部静脈)は、血液を心臓に送り返す役割を担っていますが、重力の影響で血流が遅くなりがちです。しかも心臓に近づくにつれて、静脈の太さが増すため、ますます血流速度が落ちて、血栓ができやすくなるのです。

 血栓によって深部静脈が塞がれると、急激に足が腫れて、強い痛みが生じます。重症の場合は、血栓ができた側がうっ血して、足全体が赤茶色に変色し、通常の2倍近い太さになることさえあります。これが深部静脈血栓症(DVT)です。

 DVTが非O型の人にできやすいことは、20世紀中に行われた多数の研究で証明されてきました。それらの論文のメタアナリシス解析が、今世紀に入ってから行われました。2007年に発表された論文では、非O型がDVTになるリスクは、O型の1.8~2.4倍と見積もられました。また08年に行われた別の解析では、1.6~2.1倍という結果になっています。つまり非O型の人は、O型と比べて、2倍前後もDVTになりやすいのです。血液型は「DVTの最大の遺伝的リスク因子」と言っていいでしょう。

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