著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

8割の人が唾液や精液、毛髪などから血液型が分かる理由

公開日: 更新日:

 小説やテレビドラマなどで、唾液や精液、毛髪などから犯人の血液型がわかる、というシーンを見かけます。しかしそれは、唾液や精液に血液が混ざっているからではありません(歯槽膿漏なら、混ざっているかもしれませんが……)。

 実は血液型を決める糖鎖であるA・B・H抗原(O抗原)は、赤血球だけでなく、全身の細胞に広く分布しているのです。皮膚、口の中や消化器の粘膜細胞、気管の上皮細胞、毛根細胞、精巣や子宮の内側、さらには血管の内壁までも、血液型の糖鎖で覆われているのです。

 それらは「組織血液型抗原」と呼ばれており、赤血球の糖鎖とは区別されています。といっても、血液型がA型なら組織血液型抗原もA型、B型ならB型、というように、両者は分子構造が完全に一致しています。組織血液型抗原が細胞表面から剥がれ落ちて、唾液や精液に混じっているため、犯人の血液型がわかるのです。

 ただし1点だけ違いがあります。組織血液型抗原は、各血液型の人の8割にしか発現しないのです。これを「分泌型」と呼んでいます。残り2割の人は、組織血液型抗原を持っていません(非分泌型)。正確には、より単純な糖鎖が結合しているのですが、ここでは「無し」としておきます。つまり組織血液型抗原で見れば、人間はA・B・AB・Oと、「無し」型の5つに分かれているわけです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    男性キャディーが人気女子プロ3人と壮絶不倫!文春砲炸裂で関係者は「さらなる写真流出」に戦々恐々

  2. 2

    協会肝いりゲームアプリ頓挫の“張本人”は小林浩美会長…計画性ゼロの見切り発車で現場大混乱

  3. 3

    巨人・田中将大 戻らぬ球威に焦りと不安…他球団スコアラー、評論家は厳しい指摘

  4. 4

    SixTONES新冠番組を潰しにかかるTBS日曜劇場の本気度 道枝駿佑、松本潤、目黒蓮が強力な"裏被り”連発

  5. 5

    長渕剛「理不尽と戦ってほしい」鹿児島の母校卒業生にエールも…元女優から新たな告発

  1. 6

    侍J井端監督が正捕手に据えたい大本命は…3月強化試合への招集は「打倒甲斐」のメッセージ

  2. 7

    「胎動」と「混迷」が交錯するシンドイ2年間

  3. 8

    吉幾三(5)「お前のせいで俺と新沼謙治の仕事が減った」

  4. 9

    長山藍子のおかげでわかった両眼のがんを極秘手術

  5. 10

    ニセコで横行する「海賊スキースクール」…中国系インストラクターやりたい放題で認定校とはイタチごっこ