誰かに話したくなる雑学本特集
「本当は怖い漢字の本」出口汪監修
現代文の講師として予備校の教室をいっぱいにし、受験参考書でベストセラーを連発する監修者による、漢字雑学本。漢字のルーツを調べてみると、目を背けたくなるほどの恐ろしい意味に遭遇することがあり、本書はそんな強烈な怖さを持つえりすぐりの漢字を紹介している。
たとえば、西洋ではラッキーな数字である「七」という漢字だ。この文字は切断した骨の形をかたどった甲骨文字といわれているが、罪人を十字に切るさま、あるいは腹を十字に切って自害するさまを表した文字という説がある。十字に切っただけなら十の字になるはずなのだが、腹から飛び出した内臓が右に垂れ下がるので七の字になるというのだ。
こんな具合に、気軽に書いていた漢字の一文字一文字にホラーな描写をつけてくる。オールカラーの挿絵が強烈で、人によっては一度見たらうなされるレベル。単純な漢字学習に飽きてしまった受験生を持つ親が、ショック療法でこんな本をすすめてみるのも一興かもしれないが、エロな描写もあるのでその点はあらかじめご確認のほどを。(水王舎 1300円+税)