「哲学的な何か、あと科学とか」飲茶著

公開日: 更新日:

 誰もが信じて疑わない科学理論の「正しさ」について、哲学的な視点から考察する哲学入門書。

 例えば、難解で文系には敬遠されるアインシュタインの相対性理論。そもそもこの理論が生まれた発端は、「マイケルソン・モーリーの実験」と呼ばれるもので「地上のどの方向から観測しても光の速度は一定である」という定説とは矛盾する衝撃の実験結果が出てしまったからだという。速度=距離÷時間であるから、速度が一定なら距離と時間を変えるしかないと、矛盾を解決しようとして生まれたのが「特殊相対性理論」なのだと。他にもカオス理論やエントロピー増大の法則などを取り上げ、科学的正しさの危うさを指摘しながら哲学の面白さに目覚めさせてくれるお薦め本。(二見書房 700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    フジテレビ「第三者委員会報告」に中居正広氏は戦々恐々か…相手女性との“同意の有無”は?

  3. 3

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  4. 4

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  5. 5

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  1. 6

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 7

    冬ドラマを彩った女優たち…広瀬すず「別格の美しさ」、吉岡里帆「ほほ笑みの女優」、小芝風花「ジャポニズム女優」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」