「哲学的な何か、あと科学とか」飲茶著

公開日: 更新日:

 誰もが信じて疑わない科学理論の「正しさ」について、哲学的な視点から考察する哲学入門書。

 例えば、難解で文系には敬遠されるアインシュタインの相対性理論。そもそもこの理論が生まれた発端は、「マイケルソン・モーリーの実験」と呼ばれるもので「地上のどの方向から観測しても光の速度は一定である」という定説とは矛盾する衝撃の実験結果が出てしまったからだという。速度=距離÷時間であるから、速度が一定なら距離と時間を変えるしかないと、矛盾を解決しようとして生まれたのが「特殊相対性理論」なのだと。他にもカオス理論やエントロピー増大の法則などを取り上げ、科学的正しさの危うさを指摘しながら哲学の面白さに目覚めさせてくれるお薦め本。(二見書房 700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  3. 3

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 4

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 5

    高市首相「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」どこへ? 中国、北朝鮮、ロシアからナメられっぱなしで早くもドン詰まり

  1. 6

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  2. 7

    阪神・佐藤輝明の侍J選外は“緊急辞退”だった!「今オフメジャー説」に球界ザワつく

  3. 8

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  4. 9

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  5. 10

    古川琴音“旧ジャニ御用達”も当然の「驚異の女優IQの高さ」と共演者の魅力を最大限に引き出すプロ根性