週間読書日記
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永井紗耶子(作家)
10月×日 江戸時代を舞台にした作品を書いているときは、同じ時代を描いた物を読むと、ついつい影響を受けてしまうので大好きだけど、見ないようにしている。しかし今、少し江戸を離れているので、ここぞとばかり…
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間村俊一(装幀家・俳人)
10月×日 浅草木馬亭。浪曲師・玉川奈々福、落語家・桂吉坊の二人会。吉坊の「本能寺」が圧巻。替わって奈々福は、御存知「平手の駆けつけ」。平手造酒と信長の最後がシンクロする。大当たり! 稀代のド…
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天笠啓祐(科学ジャーナリスト)
10月×日 久しぶりに外出した。最近はオンラインでの講演やシンポジウム、会合などが増え、外出する機会が少なくなってしまった。私の読書タイムは、行き帰りの電車の中が多い。余裕があると各駅停車に乗って、ず…
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小路幸也(作家)
9月×日 筒井功著「日下を、なぜクサカと読むのか 地名と古代語」(河出書房新社 2970円)をSNSで見かけて即購入。 いやもう〈腑に落ちる〉とはこのことか! と。古地名語源の実証研究というフ…
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高野秀行(ノンフィクション作家)
9月×日 張國立著「炒飯狙撃手」(ハーパーコリンズ・ジャパン 1390円)を読んだ。凄腕のスナイパーと定年間近の刑事が織りなす冒険ミステリー。スナイパーが炒飯作りの名手でもあり、刑事も美味いものが大好…
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須賀しのぶ(作家)
9月×日 高校野球秋の地区予選が始まった。夏の甲子園が終わったと思ったら、もう春の選抜に向けて新チームは動き出している。試合のスコアを確認しつつ、加藤弘士さんの「慶應高校野球部『まかせる力』が人を育て…
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奥野修司(作家)
8月×日 書籍の発売日が決定しているのに、まだ原稿の修正に追いまくられている。「高齢者の認知症は病気ではない」という、ちょっときわどい内容だが、ベースになったのは重度認知症高齢者たちの証言と彼らの手記…
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石田夏穂(作家)
8月×日 今年の夏はどこかに行こう、と、春先あたりから考えていたのに、またまたノープランで盆を迎えてしまった。布施英利著「人体、5億年の記憶」(光文社 1430円)を読む。本書は「つまり、人の体はなぜ…
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山崎ナオコーラ(作家)
8月×日 新幹線で北九州市へ向かう。「源氏物語」について北九州市文学館と九州芸術祭文学カフェでトークをするのが目的だ。わたしは北九州市生まれだ。とはいえ久しく訪れていないのでガイドブックを買う。地球の…
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枡野浩一(歌人)
8月×日 選者として今年4月からレギュラー出演しているEテレの番組「NHK短歌」収録日。毎回、各界の著名人をゲストに呼ぶことができるのだが、その候補として面識ある映画監督の名前をいくつか、プロデューサ…
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一ノ瀬俊也(埼玉大学教養学部教授)
7月×日 今年3月までの2年間、所属学部の管理職をしていた。一見平和な地方国立大学の人文系学部も水面下ではいろいろな事件が起こりつつあり、私の任務は学部長を補佐してそれらを未然に防ぐことだった。 …
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吉村喜彦(作家)
7月×日 新作の小説「江戸酒おとこ 小次郎酒造録」(PHP研究所 957円)のプロモーションで大阪に。書店や新聞社、ラジオ局をまわる。はじめての時代小説なので、みなさんの反応にドキドキ。 文化…
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門井慶喜(作家)
7月×日 世の中にはネコマンガ、ネコブログ、ネコ動画があふれている。これらを少し見るだけで荒んだ心がいかに深く癒やされることかと力説する人にも何人も会ったが、こっちとしては、いまさら流行に乗るのもおも…
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泉麻人(コラムニスト)
6月×日 小林照幸著「死の貝」(新潮社 737円)を読了。〈Wikipedia3大文学 幻のノンフィクション待望の文庫化!〉と帯に入っているけれど(他の2つは新田次郎の「八甲田山死の彷徨」と吉村昭の「…
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町田康(作家)
6月×日 人間は今を基準に生きているというか、頭では過去が現在があり、それが未来に続いていると考えるけれど、感覚的には今のことしか感じられず、昔の事についても今を基準に考えがち、と俺なんかは考える。だ…
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松下隆一(作家)
6月×日 ウィリアム・フォークナー著「野生の棕櫚」(加島祥造訳 中央公論新社 1430円)を読む。帯に「二重小説」と書かれている通り、全く違う2つの物語が交互に展開し、1本の長編作品となっている。自由…
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西尾潤(作家)
5月×日 作家道と武道の「道」はきっと通じているぞ、と琉球空手道場に通い始めた。まずは師範の本を手に取ってみる。今野敏著「琉球空手、ばか一代」(集英社 524円)。少年、青年、中年と移ろう師範の空手愛…
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黒木亮(作家)
5月×日 1週間の休暇で家内とギリシャのミコノス島を訪れる。ここに来るのはエジプト留学時代以来、39年ぶり。垢ぬけたブティックなどが増え、近代化した風景に時の流れを感じる。 風が爽やかで気温は…
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北村匡平(東京工業大学准教授・映画研究者)
5月×日 物書きを生業としているので、文章の書き方に関する本は意識して目を通すようにしている。こうした類の本は文章の組み立て方や接続詞のテクニックなど「内容」に焦点をあてたものが多いが、阿部公彦著「文…
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稲垣えみ子(フリーランサー)
5月×日 郵便受けを開けると、あら文芸誌「すばる」の入った封筒が♡ 大昔に短いエッセーを寄稿して以来欠かさず送って頂いておりまして、今や文芸誌なんて無縁だった日々が嘘のような虜っぷり。何が最高って、何…