「時効の果て」堂場瞬一著
週刊誌が31年前のバラバラ殺人事件を特集。記事は犯人と極めて近い人物の証言で構成されていた。不審を抱いた警視庁追跡捜査係の西川は、すぐに過去の資料と記事の内容を照合する。未解決事件の再捜査を担当する同係には、過去の凶悪事件に関するすべての資料が保管されているのだ。
遺体遺棄の状況など、記事には確かに犯人しか知らない情報が記されていた。しかし、時効が成立しているため警察は動くことができない。南大田署の刑事・岩倉も同誌の記事に注目していた。31年前のその事件は、岩倉が警察官を目指すきっかけとなった事件でもあった。岩倉は、雑誌に情報を提供した人物を割り出し、監視を始める。
2つの人気シリーズの登場人物が競演するデビュー20周年記念書き下ろし。
(角川春樹事務所 780円+税)