「悪魔を殺した男」神永学著
警察官でありながら4人も殺害した阿久津誠は、精神医療研究センターの閉鎖病棟に入れられていた。
ある日、稲城市の公園で頭部の皮膚をはがされた若い女性の死体が発見された。特殊犯罪捜査室室長の大黒は「悪魔の再来だな――」とつぶやく。死体の手のひらに逆さ五芒星の紋様が刻まれていたのだ。
かつて阿久津が自分が殺した人物の体に逆さ五芒星を刻んだが、その事実は公表されていなかった。阿久津の犯行の模倣犯なのか。刑事時代の阿久津とコンビを組んでいた天海志津香は、警察関係者の犯行ではないかと考えた。
物に残留する記憶を感知できる特殊な能力を持った殺人犯が活躍するミステリー。
(講談社 1750円+税)