「ロボットと人間」石黒浩著

公開日: 更新日:

 ロボット学の世界的権威である著者によると、ロボット工学を研究する目的には、人間のようなロボットを開発し、人間の役に立たせるという工学的な目的と、その開発を通して人間について調べるという科学的な目的の2つがあるという。例えば「意識」とは何かという問いの解明にも、ロボットを用いることができるそうだ。

 本書は、そうしたロボット研究の科学的側面と技術的側面、すなわち人間に関する深い疑問に答える側面と、世の役に立つ側面の両方について、これまでの研究の紹介をしながら、ロボットと人間の関係について重ねてきた思考を明かすロボット論。

 氏が開発した遠隔操作アンドロイドをはじめ、さまざまなロボットの最新事情を解説しながら、人間にとっての自律や対話、進化、生命とは何かを問う。

(岩波書店 1034円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  3. 3

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 4

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 5

    高市首相「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」どこへ? 中国、北朝鮮、ロシアからナメられっぱなしで早くもドン詰まり

  1. 6

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  2. 7

    阪神・佐藤輝明の侍J選外は“緊急辞退”だった!「今オフメジャー説」に球界ザワつく

  3. 8

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  4. 9

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  5. 10

    古川琴音“旧ジャニ御用達”も当然の「驚異の女優IQの高さ」と共演者の魅力を最大限に引き出すプロ根性