「ロボットと人間」石黒浩著

公開日: 更新日:

 ロボット学の世界的権威である著者によると、ロボット工学を研究する目的には、人間のようなロボットを開発し、人間の役に立たせるという工学的な目的と、その開発を通して人間について調べるという科学的な目的の2つがあるという。例えば「意識」とは何かという問いの解明にも、ロボットを用いることができるそうだ。

 本書は、そうしたロボット研究の科学的側面と技術的側面、すなわち人間に関する深い疑問に答える側面と、世の役に立つ側面の両方について、これまでの研究の紹介をしながら、ロボットと人間の関係について重ねてきた思考を明かすロボット論。

 氏が開発した遠隔操作アンドロイドをはじめ、さまざまなロボットの最新事情を解説しながら、人間にとっての自律や対話、進化、生命とは何かを問う。

(岩波書店 1034円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  2. 2

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  3. 3

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  4. 4

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 5

    国民民主党・玉木代表「ミッション・コンプリート」発言が大炎上→陳謝のお粗末…「年収の壁」引き上げも減税額がショボすぎる!

  1. 6

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  2. 7

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  3. 8

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  4. 9

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  5. 10

    楽天が変えたい「18番は田中将大」の印象…マエケンに積極譲渡で“背番号ロンダリング”図る