「不安に克つ思考」クーリエ・ジャポン編
コロナ禍によって、人類は「未知なる社会」に突入せざるを得なくなり、多くの人が不安を抱えている。さらにコロナによって環境破壊や格差と分断、資本主義の暴走などの問題が、より鮮明になった。こうした時代の変化を読み解き、どう生き抜くか。識者らの考え方、見方を紹介する論考集。
「災害ユートピア」の著者レベッカ・ソルニットは、死を身近に感じるという共通体験によって多くの人が市民生活や公共の利益といった大きな目的に向かうと説く。一方でコロナ禍の悪影響が顕在化するのは収束から数年経った後になるだろうと警告する。
その他、環境問題と対峙するには「レス・イズ・モア(少ないことは豊かなこと)」の精神しかないと主張する科学者のバーツラフ・シュミルら19人の賢人たちに学ぶ。
(講談社 990円)