「子どもが心配」養老孟司著

公開日: 更新日:

 日本の子どもたちの現状に危機感を抱く著者が、4人の識者と教育について語り合った対談集。

 医療少年院で加害少年を診察してきた児童精神科医の宮口幸治氏によると、実際の彼らは起こした凶悪犯罪からイメージする人物像とは全く異なるという。どちらかというとおとなしい社会的弱者の彼らがどうして凶悪な事件を起こしたのかを突き詰めると、その根っこには小学校低学年での「学業の挫折」があるという。彼らは、認知機能や知的能力に問題があるのに、学校で気づかれないまま放置されていた。学びのための根本的な能力こそが「認知機能」だという。

 ほかにも、小児科医や教育者などとの語らいから、「共感する力」「自分の頭で考える力」を育てることの大切さを説く。

(PHP研究所 990円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  3. 3

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  4. 4

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  5. 5

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  1. 6

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  2. 7

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  3. 8

    維新のちょろまかし「国保逃れ」疑惑が早くも炎上急拡大! 地方議会でも糾弾や追及の動き

  4. 9

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  5. 10

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方