「子どもが心配」養老孟司著

公開日: 更新日:

 日本の子どもたちの現状に危機感を抱く著者が、4人の識者と教育について語り合った対談集。

 医療少年院で加害少年を診察してきた児童精神科医の宮口幸治氏によると、実際の彼らは起こした凶悪犯罪からイメージする人物像とは全く異なるという。どちらかというとおとなしい社会的弱者の彼らがどうして凶悪な事件を起こしたのかを突き詰めると、その根っこには小学校低学年での「学業の挫折」があるという。彼らは、認知機能や知的能力に問題があるのに、学校で気づかれないまま放置されていた。学びのための根本的な能力こそが「認知機能」だという。

 ほかにも、小児科医や教育者などとの語らいから、「共感する力」「自分の頭で考える力」を育てることの大切さを説く。

(PHP研究所 990円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  2. 2

    長嶋茂雄引退の丸1年後、「日本一有名な10文字」が湘南で誕生した

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  5. 5

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  1. 6

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  2. 7

    レーダー照射問題で中国メディアが公開した音声データ「事前に海自に訓練通知」に広がる波紋

  3. 8

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  4. 9

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  5. 10

    巨人が現役ドラフトで獲得「剛腕左腕」松浦慶斗の強みと弱み…他球団編成担当は「魔改造次第」