「古墳とはなにか」松木武彦著

公開日: 更新日:

「古墳とはなにか」松木武彦著

 日本には巨大な前方後円墳から小さな塚まで、約16万基もの古墳がある。本書は、認知考古学の視座から、古墳の成立から発展、そして衰退までを考察したテキスト。

 古墳の出現は紀元後3世紀。それ以前の縄文から弥生時代の人々が、どのような墓をつくっていたのかをまず振り返る。弥生時代も墳丘の大型化や埋葬施設の入念化、副葬品の増加が見られるが、その延長線上に古墳が登場したわけでない。その大きな違いは、弥生の墓は親族集団の墓であり、古墳は個人のための墓で、葬られる人は「神格化」されているという。

 さらに古墳は、なぜ前方後円墳のあの形になったのか、当時の人の目にはどう映り、その心をどう動かしたのかなど、人の心の動きの分析を通して迫っていく。

(KADOKAWA 1144円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  4. 4

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  5. 5

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  1. 6

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 7

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  3. 8

    早大が全国高校駅伝「花の1区」逸材乱獲 日本人最高記録を大幅更新の増子陽太まで

  4. 9

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ

  5. 10

    官邸幹部「核保有」発言不問の不気味な“魂胆” 高市政権の姑息な軍国化は年明けに暴走する