「楽しい古墳案内」松木武彦監修
■古代のロマンに誘う古墳の魅力を紹介
古代のロマンが眠る古墳の魅力を伝えるビジュアル・ガイドブック。全国に15万基もあるという古墳の中から、代表的なものを紹介し、その歴史や特徴、さらに構造などの基本知識を解説する。
そもそも死者を葬るために土を高く大きく盛る風習は、弥生時代の終わりが近づく2世紀中ごろに出雲や吉備で盛んになった。3世紀に大和(やまと)に倭王を盟主とする政権が誕生すると、その風習をもとに前方後円墳を主とする古墳とその祭式が創り出されたという。
その発祥の地、大和には大和(おおやまと)、柳本、纏向(まきむく)の3つの古墳群がある。その纒向古墳群の中にあるのが、卑弥呼の墓との説もある最古の前方後円墳「箸墓古墳」だ。
一方、大和古墳群の「東殿塚古墳」は、前方部が異常に長い独特のプロポーション。墳丘裾から出土した円筒埴輪も船の絵が線刻されていたり、ひれの部分に穴があったりと、独特の形をしている。
4世紀後半になると、大陸や朝鮮半島から大和への玄関口となっていた河内に、教科書で「仁徳天皇陵」と習った「大仙古墳」など超巨大な前方後円墳が築造される。