「最後は住みたい町に暮らす」井形慶子著
「最後は住みたい町に暮らす」井形慶子著
著者は父が80歳のとき、両親を海外旅行に連れていったが、そのとき、両親がボケはじめているのに気づく。両親は母方の祖父母の家の隣の「絶景御殿」に住んでいたが、母が階段から転げ落ちたりすることが続いた。
両親がバスで買い出しに行く商店街にある洋品店にはテーブル席があり、年配の客がパンを食べながらおしゃべりしている。ここはひとり暮らしの高齢者の憩いの場になっている。
そのエリアにあるマンションが販売されるという。著者が見つけたマンションのことを母が「あなたとできるだけ長く一緒に生活するためよ」と話したら、父は承諾した。
老後の生活に必要なことをつづったエッセー。
(集英社 1870円)