おしどり夫婦といわれたジェリー藤尾の泥沼離婚
多くを語らない藤尾に対して、渡辺は藤尾が酒びたりであることや経済的な問題を抱えていること、渡辺の両親と藤尾の確執などをマスコミに訴えた。
このため、世間では渡辺に対して同情する空気が生まれ、藤尾は「飲んだくれ亭主」と書きたてられ、テレビ局から総スカンを食う状況にまで追い込まれた。
しかし、親権問題で2人の娘がともに藤尾側に付いたことで徐々に流れが変わっていく。次女は「このままではママばかり良い格好をしてパパが悪者にされて可哀想」と友達に告白。「今度お姉ちゃんと一緒に記者会見に出て、すべてブチまけたい」とも訴えた。
次女は書類の親権者欄に藤尾の名前を書いた。後に藤尾は娘の書いた書類を見て「涙が止まりませんでした」と語った。離婚から4カ月後には次女が出演するドラマ「セーラー服反逆同盟」(日本テレビ)に父娘共演を果たし、ショックから立ち直り、仕事に打ち込んだ。
だが、一時沈静化した泥仕合は4年後の90年に財産分与トラブルを火種に再燃する。渡辺は藤尾に2億円の慰謝料を請求していたのだが、これに対し、長女は「外面を取り繕うのが上手なだけにズルイ性格」と言い放った。「父は沈黙しても私は許せない」と実名を挙げて渡辺の男性問題を指摘、離婚理由は母に非があると語った。財産分与問題は結局、東京・田園調布の自宅売却代金の35%を支払うことで決着した。