山路徹さん 戦場から戻ったら“女子アナと親密交際”怪文書
こちらは砲弾飛び交う戦場でしたから、経費は数百万円をはるかに超え、それに押し潰されそうになりながら、なんとか納得できる映像を撮ることができました。ところが、帰路、トランジットしたドイツのボンからプロデューサーに電話報告したら、なんたることか。
「君のリポートは使えない」
帰国後、真相が判明しました。留守中に「女子アナと親密交際」という怪文書がマスコミに流され、そのため、「報道番組には出せない」というのです。フリーランスは取材素材を使ってもらってナンボですから、多額の経費を使いながら放送NGでは大赤字。手応えを感じた取材だっただけに落胆は大きく、奈落の底に突き落とされた気分でした。
やむなく、古巣でもあるTBSの報道番組に持って行ったのですが、そこでも却下。目の前が真っ暗ですよ。
■大桃美代子さんの“ツイッター爆弾”が炸裂
でも、その直後、たまたま局内で会った故筑紫哲也さんがメインキャスターの「NEWS23」のプロデューサーにお見せしたら、筑紫さんも大乗り気。シリーズで何回か放送してくださり、それを機に戦争取材をさせてもらえたんです。しかも、93年の「筑紫哲也年間最優秀記者賞」をいただき、船出して間もない会社がなんとか持ち直しました。