かつての海賊版天国は爆買い天国となり、今や「作る国」に

公開日: 更新日:

■コロナ禍でも興業収入は記録更新

 興収もケタ違いで、中国内だけで46・88億元(およそ744億円)。これはなんと、18年における北米興収年間1位の「ブラックパンサー」の記録(約724億円)を上回る。

「ペガサス/飛馳人生」は、そうした春節シーズンの激戦では3番手で、「流転の地球」に比べれば目立たない映画だが、それでも日本円にして約300億円もの興収をたたき出した。日本なら歴代トップの「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」でなんとか対抗できる数字で、いかに中国市場の勢いが猛烈かがわかる。

「ペガサス/飛馳人生」はラリーの元中国チャンピオンという異色の経歴を持つハン・ハン監督得意のカーレース映画で、本格的なラリーシーンが売り物。いうまでもなく、カーアクションはハリウッドの十八番だが、中国映画としてそこに真っ向勝負を挑み、批評面でも興収でも一定以上の結果を出したことが重要だ。それは「中国政府が外国映画を排除しているから仕方なく見る」のではなく、あえて国産映画を選んでも満足できる作品があるという意味だからだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    マエケンは「田中将大を反面教師に」…巨人とヤクルトを蹴って楽天入りの深層

  3. 3

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 4

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  5. 5

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  1. 6

    陰謀論もここまで? 美智子上皇后様をめぐりXで怪しい主張相次ぐ

  2. 7

    白木彩奈は“あの頃のガッキー”にも通じる輝きを放つ

  3. 8

    渋野日向子の今季米ツアー獲得賞金「約6933万円」の衝撃…23試合でトップ10入りたった1回

  4. 9

    12.2保険証全面切り替えで「いったん10割負担」が激増! 血税溶かすマイナトラブル“無間地獄”の愚

  5. 10

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?