松たか子「大豆田とわ子」に見るコロナ禍ならではの撮影法
「物語の舞台は奥渋谷。代々木公園の西側エリアから富ケ谷、松涛といった閑静な高級住宅地の一角です。商店街もありますが、人口密度がそれほど高いエリアではないので人混みを避けてロケができるという利点があります。実は撮影スタッフも少人数に抑えていて、これもコロナ対策の一環です」(ドラマ制作スタッフ)
■少数精鋭でさっさと撮影
これまでのドラマ撮影では、例えば路上撮影では、スタッフが赤色誘導灯を持って通行人を止めて撮影したり、撮影を見物したりスマホで撮影する人を静止するためのスタッフが多く配置されていた。
「代々木公園で撮影していると近くで見学している若者や主婦の方たちがスマホを持って撮影していましたが、それを制止するよりは少数精鋭でさっさと撮影を終えてすぐに撤収したほうが効率的。今後、このような形が主流になっていくと思います」(前出の制作スタッフ)
コロナ禍ならではのスタイルと言えるが、最近ドラマでよく見受けられる手法がもう一つある。
「最近のドラマは、舞台劇のような『会話劇』が増えている気がします。今ドラマだけでなく日テレ系の菅田将暉の主演ドラマ『コントが始まる』も3人の若者と1人の女性の会話劇が中心で、ロケは主に都心。メインキャストを少人数で抑え、ロケの場所、移動距離が少ない。見物人が集まるのを極力避けているのでしょう」(弘世一紀氏)