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細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

五木ひろしの光と影<6>野口修は沢村忠と五木ひろし…ジャンル違いのスターを生み出した

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「一回、ロカビリーのブームが終わって、低迷しているでしょう。だから、どんな小さい仕事でも受けようと思ったのよ。仕事は選ばない。だから今も、小さいイベントや発表会もなるべく受けることにしているわけ」

 余談になるがこの頃、筆者が構成作家として加わっていた「5時に夢中!」(東京MX)の大晦日スピンオフ企画「おママ対抗歌合戦」に平尾昌晃が審査員として出演していたのも、この一連の取材がきっかけだった。

 1970年のことである。マネジャーが平尾にこう言った。

「変な番組が始まるらしいですよ。素人が勝ち抜いて歌手デビュー出来るって企画なんですけど、売れない歌手が出てもいいそうです。その審査員ですけど、受けます?」「もちろん受けるよ。なんてタイトル?」「全日本歌謡選手権だそうです」

 下積み歌手「三谷謙」の人生も、ここから一気に急旋回するのである。(つづく)

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