五木ひろしの光と影<3>松山まさるの将来性を“予言”…新人歌手の運命を変えた恩師の急逝
芸能誌「月刊平凡」(1965年8月号)では当時の人気テレビ番組の担当ディレクター4人による座談会「おしゃべり採点簿」が企画されている。テーマは「これから伸びる新人歌手」について。ちなみに4人のディレクターとは、井上博(NHK「若い河」担当)、秋元近史(日本テレビ系「シャボン玉ホリデー」担当)、田中敦(TBS系「ロッテ歌のアルバム」担当)、千秋与四夫(フジテレビ系「歌の饗宴」担当)である。
■「伸びた」のは布施明、奥村チヨ、松山まさる
座談会で名前の挙がった新人歌手の中で実際に「伸びた」のは、布施明と奥村チヨ、そして後年、五木ひろしに変身する松山まさるの3人となる。デビューしたばかりの松山まさるについて、彼らディレクターは次のように評している。
秋元 コロムビア。ここは強烈なのをそろえているよ。(中略)
田中 歌にひなびたよさがある松山まさる。こちらは「歌うミスター平凡」だ。
井上 急に、パッと出る歌手じゃないようだけどね。