<121>野崎幸助さんの「遺言」は公証役場に残されていなかった
「(早貴被告の都内の)弁護士先生から依頼がありまして、大阪の顧問会計士が許可したので銀行から振り込みました」
佐山さんが答えた。ここでポイントになるのは、この弁護士は早貴被告個人と契約しているが、アプリコという会社の顧問弁護士ではないということだ。それでも9月初旬に佐山さんにお金を振り込むように命じて実行された。これが佐山さんが親族に打ち明けた「約1億円」だ。名目は早貴被告への会社からの報酬として7000万円。そこから税金を引いた3800万円余りが早貴被告に振り込まれていた。
そして弁護士たちや会計士にも金が支払われていた。 (つづく)